ロックダウン(都市封鎖)で飲食店が店内営業停止に追い込まれたグアム。周りの店が次々に休業するなか、ラーメン店「藤一番」はわずか1週間で「テークアウト繁盛店」に。メニュー開発やオペレーション改善など、同店が成功した要因を飲食店コンサルタントの三ツ井創太郎氏が解説する。

グアムの人気ラーメン店「藤一番グアム店」(写真はグアムで新型コロナウイルスの感染が拡大する前のもの)
グアムの人気ラーメン店「藤一番グアム店」(写真はグアムで新型コロナウイルスの感染が拡大する前のもの)

 新型コロナウイルスの影響によって飲食店が大きな打撃を受けています。さらなる影響を不安に感じておられる飲食店経営者の方も多いことでしょう。

 今回は2020年3月20日からロックダウン状態にあるグアム島において、テークアウト営業のみで成功している飲食店に緊急取材し、ロックダウン時の状況や対応について聞きました。本記事が飲食店のみならず、さまざまな方の非常時における意思決定の参考になれば幸いです。

 話を伺ったのは、グアムの人気ラーメン店「藤一番グアム店」の安田真也社長。「藤一番」は名古屋発祥のラーメンチェーンであり、藤一番グアム店は1997年9月にオープン。現在はグアムに2店舗を展開しています。

 グアム島は淡路島よりやや小さい島です。もともと娯楽が少ないグアム島の方々にとって、「家族での外食」は大きな娯楽の一つ。当時ラーメン専門店がなかったグアムで日本のラーメンを手軽に味わえる店として大繁盛し、開業以来20年以上にわたってグアムの地元住民から圧倒的な支持を得てきました。今回の新型コロナウイルスの影響を受ける前は、1日800人以上のお客様が来店される日もありました。

 ご存じの通り、グアム島は多くの人が訪れる観光地であり、グアム政府観光局によると2019年度にはグアム島観光歴史上最多となる163万人が訪れました。しかしながら20年3月15日から状況が一変します。3人の新型コロナウイルスの陽性患者が確認されたのです。この日を境にグアム島の様子は一変することとなります。

ロックダウンにより飲食店営業が実質停止に

 グアム島は島内初の感染者が確認された翌日の3月16日から、旅行者が過去72時間以内に新型コロナウイルスに感染していないことを証明する英語文章の提示が入国時にない場合には、入国後14日間の強制検疫措置対象とする旨を発表しました。これにより観光客は島から姿を消し、島民にもさまざまな行動制限が設けられ、事実上のロックダウン状態へ突入しました。

 グアム島政府は3月20日から、店内での飲食物提供を禁止し、テークアウト、デリバリー営業のみを認める措置を取りました。日本の飲食店も新型コロナウイルスの感染拡大で多大な影響を受けていますが、グアム島では初めての感染者確認からたった数日で実質的に飲食店営業(店内飲食)が禁止となったわけです。ロックダウン当日の様子を、安田社長はこう振り返ります。

 「突然の店内営業停止通達でグアム島の飲食店の5割近くは完全に営業を辞めてしまいました。私自身も一時は営業を諦めかけましたが、なんとかテークアウトのみで営業することにしました」

 もともとテークアウト営業をしていた同店ですが、ある日突然、全営業をテークアウトのみに切り替えるというのは容易なことでありません。しかし、ロックダウンが発表されてからすぐに商品開発を行い、1つの商品をInstagramに投稿しました。