小田急電鉄は、MaaSアプリ「EMot(エモット)」を活用した実証実験を当初予定の2020年3月末から6月末までに延長した。エモットは飲食店のサブスクリプションサービスも組み込むなど、生活サービスと連動した意欲的なMaaSアプリだ。その利用状況はどうなのか、注目の中間リポート。
小田急電鉄のMaaSアプリ「EMot(エモット)」は、鉄道やバスに加えてタクシーやシェアサイクルを組み合わせた経路検索が可能。タクシー(JapanTaxi、MOV)については、エモットからそれぞれのアプリに遷移する形で、配車・決済ができる。また、エモット内のチケットストアでは、小田急エリアの「デジタル箱根フリーパス(2日間有効)」(4600~5700円、出発駅により異なる)や、連携する遠州鉄道エリアの「遠鉄ぶらりきっぷ」(大人1570円)など、電子チケットの購入も可能。経路検索では、保有する電子チケットを考慮したルートが案内される。
こうしたMaaSアプリの基本機能をベースに、小田急は3つの実証実験を進行中だ。1つは、19年10月30日から新百合ヶ丘エリアで始めた「郊外型MaaS」。商業施設の新百合ヶ丘エルミロードで税込み2500円以上の買い物をすると、新百合ヶ丘駅を発着する小田急バスの往復無料チケット(210円区間)が受け取れるというものだ。
同じく10月末からは、新百合ヶ丘駅と新宿駅構内にある「おだむすび」「箱根そば」「HOKUO」のいずれかの店舗で、1日1回利用できる定額制チケット(購入日から30日間有効の10日券・3500円、30日券・7800円)をエモットで販売する「MaaS×生活サービス」の取り組みを行っている。
そして3つ目が、小田急グループが擁する最大の観光エリア、箱根を舞台にした「観光型MaaS」。先述した箱根フリーパスの電子チケットをエモットで購入すると、箱根エリアの8つの乗り物が自由に乗り降りでき、箱根周辺の温泉や観光施設など、約70のスポットが優待・割引料金になる。こちらは19年10月に発生した台風19号の影響で開始時期が遅れ、20年1月6日から実施されている。
では、具体的にエモットの利用実績を見ていこう。
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