ビジネスSNS「Wantedly」を運営するウォンテッドリーが2020年3月17日、「Wantedly Perk(パーク)」という名の新サービスを始めた。英会話から家事代行まで、仕事や暮らしに役立つさまざまな特典を集め、割引価格で提供する。特典の掲載料は無料。では、ウォンテッドリーはどこに勝機を見出したのか。
「6000万曲聴き放題」の定額制音楽ストリーミングサービス「AWA」が2カ月間無料、テレビ東京ビジネスオンデマンドは初回3カ月間無料、オンライン英会話の「レアジョブ英会話」は初月レッスン料3割引──。
ログインし、使いたいサービスを選択して「特典を使う」をタップすれば、すぐに割引が受けられる。ウォンテッドリーの仲暁子CEO(最高経営責任者)が「数年に1回の大型リリース」と位置づけるプロジェクトが形になった。
その名もWantedly Perk。日本ではなじみが薄い言葉だが、Perkとは「特典」を意味する英単語である。仲氏直轄プロジェクトとして19年12月に開発入りし、わずか3カ月でリリースにこぎ着けた。
特典の顔ぶれは多彩だ。冒頭のサービスに加え、家事代行の「CaSy(カジー)」が7%オフ、ベビーシッターをマッチングする「キッズライン」が初回3000円引き、脳検診結果がスマホで見られる「スマート脳ドック」が2200円引き、19年11月に開業した渋谷スクランブルスクエア東棟内のワークスペース「SHARE LOUNGE(シェアラウンジ)」も2割引となる。
対象は、Wantedlyの有料プラン契約企業に勤める従業員とその家族。家族の範囲は広く、LGBT(性的少数者)や事実婚も含む。まずはベータ版として公開し、ゆくゆくは1万社、50万人が利用する、一大プラットフォームへと育てる構想だ。
「掲載料無料」で広告が打てる?
ウォンテッドリーは、採用したい企業と、就職希望の学生、転職希望者をつなぐ会社訪問アプリ「Wantedly Visit」を展開する。エンジニアなどIT系を中心に、個人ユーザー数は225万人。約8割が20~30代のミレニアル世代だ。
新たに始めたWantedly Perkへのサービス掲載料は無料。写真付きで内容を紹介できる代わりに、割引価格でサービスを提供するという条件になっている。つまり、企業側は広告費を新たに投下することなく、ミレニアル世代に向けて無料で広告を打てる。「ほぼノーリスク」(仲氏)で、新規顧客を開拓できる道を開いた。
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