世界的に新型コロナウイルス感染症が広がり、消費者の衛生意識が高まるなか、爆発的に成長を遂げているブランドがある。2018年9月にリニューアルした空間除菌ブランドの「クレベリン」。19年3月期の売上高はブランド全体で前年度比22%増となり、さらに19年4月から12月までの3四半期では、前年同期比で78.9%増と急速に売り上げを伸ばしている。
その要因となったのが、マーケティング戦略の大きな方向転換。これまでは「衛生用品としての機能訴求しかしておらず、生活の中での使われ方に配慮がなかった」(大幸薬品の中澤健一郎マーケティング本部マネージャー)。18年9月のリニューアルでは、デザインオフィスnendoの佐藤オオキ氏によるデザインを採用。「クレベリンといえば『C・(シードット)』のマークと言ってもらえるような強いブランドをつくる」(中澤氏)ための情報整理を行ったパッケージデザインや、効能感を訴えつつも家庭での置かれ方を意識したボトルデザインなど、全面的にデザインを変更。この結果「機能さえ果たしてくれればいいという衛生用品から、日々の生活を守ってくれる必需品へと製品の役割が変化した」(中澤氏)。
これにより今までクレベリンを敬遠していたユーザーの獲得に成功したほか、「どこに置いても恥ずかしくない『日用品』となったことで人の目に触れやすくなり、次の買い替え時が分かるようになった。結果的にリピート需要を喚起できた」(中澤氏)点も売り上げ増に貢献した。
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