日経クロストレンドはマーケターキャリア協会(MCA、東京・渋谷)の協力を得て、「マーケターのキャリア意識 実態調査」を実施した。MCAは「ビジネスを動かすマーケティングの貢献度を可視化する」「プロフェッショナルとしてのマーケターのキャリア構築を支援する」などをミッションに掲げる一般社団法人だ。調査はMCA会員である現役マーケターを対象にWebアンケートで実施。100人の回答を得た。
マーケティングと聞いて、リサーチや広告宣伝だけを連想するような人は以前よりは少なくなってきた。それでも日本ではマーケティングに対する経営者や他職種の人からの理解は十分とは言いがたい。
大手企業でもマーケターがキャリアを積み重ねる仕組みや環境がないところがある。苦労して企画した施策が当たり、商品がヒットしても、「『店舗や営業が頑張ったからだ』と社長に言われてがっかりした」といった話も、この業界ではよく聞く。
ではこうした状況は変わってきたのか。調査結果からマーケターの実態を見ていく。
まずは回答者の所属部署について(図1)。回答者「全体」では77%が「宣伝・企画・調査・マーケティング」部門に属していると答えた。ここから、広告代理店やコンサルティング会社などサービス提供側の人たちを除いた「事業会社」に絞ると85.1%と8ポイントほど高かった。
次に、所属する組織におけるマーケティングの位置づけを聞いた。事業会社全体で見るとマーケティングの「専門部署」であるとの回答は44.8%。それよりもマーケティングは「主要業務の一つ」との回答がわずかに多かった(図2)。
回答者は全員が現役のマーケターだ。にもかかわらず、マーケティングだけではなく、他にも主要な業務がある「兼務のような形」で仕事をしている人もかなり多いということが判明した。
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