家計簿アプリ開発のZaim(東京・渋谷)はこのほど、購買データを分析し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、消費者がどのタイミングでマスクやトイレットペーパーなどを買い求めるようになったのかについて公表した。商品ジャンル別に日次購買回数を集計した。消費者の購買行動が日々変化していく様子がデータで浮き彫りになった。

新型コロナウイルスでマスクや衛生用品などが急激に売り上げを伸ばすなど、商戦に大きな変化が現れている(写真/Shutterstock)
新型コロナウイルスでマスクや衛生用品などが急激に売り上げを伸ばすなど、商戦に大きな変化が現れている(写真/Shutterstock)

 同社が提供する「Zaim」は、約850万ダウンロードされた人気の家計簿アプリだ。個人利用者の多くが「レシート読取」機能などを使って、購入店舗や商品名まで細かく記録しているのが特徴だ。今回、Zaim利用者が登録した購買に関するデータを匿名加工したうえで、商品ジャンル別に買われている回数を1日ごとに調べた。

 例えばマスクなら、「10枚入りを1000円」で購入した場合も「マスク1枚を90円」で購入した場合も、購買回数は1回だとカウントした。集計期間は2020年1月1日~3月2日(以下、日付はすべて20年)。最も購買回数が多かった日を「1」として、それ以外の日の回数を指数化してグラフを作成した。

 全国小売店の販売データを集計する日経POS情報などと違って、市場での購買金額の正確な増減を示すものではない。ただこのデータからは、消費者が店舗に訪れて具体的に何を買うようになったのか日々変化していく様子をうかがい知ることができる。

マスクが売れ始めたのは1月25日ごろ

 まず、品薄状態が長らく続く「マスク」である。ここ数週間、開店前のドラッグストアにマスクを求める客が長い行列を作る光景をよく見かける。一方で、フリマアプリなどを使った高額転売が横行し、政府も対策に乗り出している。

マスクの消費者購買回数の変化。集計期間は2020年1月1日~3月2日。縦軸は、最も購買回数が多かった日を「1」として、それ以外の日の回数を指数として算出した(提供/Zaim)
マスクの消費者購買回数の変化。集計期間は2020年1月1日~3月2日。縦軸は、最も購買回数が多かった日を「1」として、それ以外の日の回数を指数として算出した(提供/Zaim)

 Zaimの購買データによると、マスクを消費者が急激に買い求めだしたのは1月24日ごろだ。ピークは1月31日~2月2日。その後増減を繰り返しながら徐々に下がっている。これは、品薄状態が続く影響でなかなか購入できない消費者が少なくないためだと考えられる。

 新型コロナウイルスを巡っては、1月16日に国内初患者が確認され、1月24日に2例目、1月25日に3例目の感染者について報告された。日を追うごとにテレビ報道が過熱し情報が周知されたことを受けて、1月下旬ごろに国民の衛生に対する意識が大きく変化した様子がZaimの購買データから裏付けられる。

 政府は3月中には月産6億枚超規模でマスクを供給できるとの見通しを明らかにしているが、都内の様子を見る限り「マスク欠品中」といった貼り紙をしている店舗が大半だ。依然として品薄状況が続いているようである。

 では、衛生用品についてはどうだったか。「うがい薬」「ハンドソープ」「ビニール手袋」についても傾向を調べてみた。うがい薬については1月26日ごろ、ハンドソープについては2月15日ごろ小規模な回数増の波が訪れている。3つの商品に共通するのは、いずれも3月1日にピークを迎えている点だ。

うがい薬の消費者購買回数の変化(提供/Zaim)
うがい薬の消費者購買回数の変化(提供/Zaim)
ハンドソープの消費者購買回数の変化(提供/Zaim)
ハンドソープの消費者購買回数の変化(提供/Zaim)

 政府は2月26日、大規模イベントを2週間自粛してほしいという要請を発表している。東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)などの臨時休園が決まったのもこの頃で、感染拡大が人ごとではないと感じた消費者が一斉に衛生商品を買いに店頭へと駆け走る姿がデータからも浮かび上がる。

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