家計簿アプリ開発のZaim(東京・渋谷)が、個人の購買ビッグデータをマーケティング目的で分析できるサービス「Zaimトレンド」を今夏にも開始する。商品名などを手掛かりに、前月と比べてシェアがどう変化したかなどについて瞬時に調べられる。POS(販売時点情報管理)データでは見えなかった、様々な店舗における消費の“景色”を浮き彫りにするのに役立ちそうだ。

今夏にも開始する購買ビッグデータ分析サービス「Zaimトレンド」。「商品」「場所」「購買属性」の3方向から分析できる点に特徴がある(写真/Zaim)
今夏にも開始する購買ビッグデータ分析サービス「Zaimトレンド」。「商品」「場所」「購買属性」の3方向から分析できる点に特徴がある(写真/Zaim)

 Zaimトレンドは、850万ダウンロードを達成した家計簿アプリ「Zaim」を使う個人利用者が日々入力する買い物データを、利用規約に基づいて匿名加工したうえで統計分析する。最大の特徴は、具体的な商品について前週・前月と比べてブランドスイッチ(購入する商品・サービスの乗り換え)がどう起こっているのかを浮き彫りにできる点にある。「スーパーマーケット」「コンビニエンスストア」など購入した場所ごとの売れ行き増減や、ブランドスイッチした人の男女別や年代別の構成比も調べられる。言ってみれば、「商品」「場所」「購買属性」の3方向から、市場の今を分析できるわけだ。

アマゾンや楽天の購買履歴も対象に

 こうしたことが実現できるのは、利用者の属性ごとに「店舗名」「商品名」「日付」「金額」まで追える家計簿データだからこそと言える。小売店やメーカーは現状、属性情報を把握できるポイントカードなどとひもづけたID-POSデータを各社で分析するか、全国の様々なチェーン店などから集めたデータを統合的に分析できる「True Data」といったサービスを使うのが一般的だ。

 Zaimトレンドは後者に近いサービスだが、個人の消費行動の記録がベースとなるため態度変容の実態を正確に導き出せる点に強みがある。しかも、Zaimは各社ネット通販とAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)連携しており、「Amazon.com」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」といった主要サイトの購買履歴を個人が自動的に取り込む仕組みを用意する。このためZaimトレンドでは、ネット通販の消費行動も含めて分析できる。

 「競合アプリは資産管理目的で使われることも多いようだが、Zaimは家計管理をしっかりしたいと考える人が愛用している」(代表取締役の閑歳孝子氏)。結果として大半が、日々出費した詳細情報をできるだけ丁寧に記録するのだという。

 2013年に提供を開始した機能「レシート読取」も、入力の手間を省いてくれるとしてZaimファンの間で人気だ。これは買い物をした後にレシートをスマートフォンのカメラで撮影するだけで、店舗名や商品名などを文字認識したうえでカテゴリー・ジャンルを類推し、データ入力を自動化するもの。スーパーやコンビニのPOSレジに登録された品目名がそのままZaim側にも取り込まれていく。それがZaimトレンドでの細やかな分析へと結びつく。

店舗名や商品名などを読み取り、データ化したものを家計簿に自動入力できる「レシート読取」機能を使うZaim利用者は少なくない。結果として、商品の購買データが蓄積されやすく、Zaimトレンドの分析にも役立っている(写真/Zaim)
店舗名や商品名などを読み取り、データ化したものを家計簿に自動入力できる「レシート読取」機能を使うZaim利用者は少なくない。結果として、商品の購買データが蓄積されやすく、Zaimトレンドの分析にも役立っている(写真/Zaim)

 では、具体的にどのような分析がこのサービスでできるのか。基本的なところでは、「売上の推移」「売上割合の推移」。例えばあるビールメーカーが使う場合を想定すると、「ビール」「発泡酒・第三のビール」「ノンアルコールビール」のそれぞれについて、ジャンル別シェアの変遷が分かる。もちろん実数調査したものではないので、結果は相対的な比率となる。スーパーやコンビニなど、購入した場所ごとに各ジャンルの売れ行きがどう増減したかを調べることも可能だ。

基本機能である「売上割合の推移」の画面。ビール関連商品の売上比率について週次変化を把握できる(写真/Zaim、一部をモザイク処理)
基本機能である「売上割合の推移」の画面。ビール関連商品の売上比率について週次変化を把握できる(写真/Zaim、一部をモザイク処理)

 Zaimトレンドの目玉機能が、「クロスシェア分析」だ。ある商品と別の商品間で乗り換えが発生した様子を変化率として図示するものである。

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