ジェーシービー(JCB)と経済データ分析のナウキャスト(東京・千代田)が、クレジットカード会員の利用情報を基にした個人消費に関する指数を有償で提供する「JCB消費NOW」を強化し、小売業や飲食業などのマーケティング部門への販売を本格化させている。「消費の今」をひもとく新たなモノサシとして、マーケティング部門での活用が広がる可能性がある。

「JCB消費NOW」は、約100万人分の決済データを活用して消費動向が分かる業種別指数を半月ごとに集計・公表するものだ(写真/Shutterstock)
「JCB消費NOW」は、約100万人分の決済データを活用して消費動向が分かる業種別指数を半月ごとに集計・公表するものだ(写真/Shutterstock)

 2017年にスタートしたJCB消費NOWは、消費動向が分かる業種別指数を半月ごとに集計・公表するもの。今回の強化では、対象を5業種から39業種へと拡大。さらに全産業の動向を示す総合消費指数について、業種別および消費者属性別に変動要因への寄与度なども分かるようにした。毎月1~15日分を翌月1日に、毎月16日~月末分および月次分を翌月15日に公表する(1日・15日が土日祝日の場合は翌営業日)。料金は個別見積もりとなる。

2019年12月における、業種別指数「織物・衣服・身の回り品小売業」の月次結果(画像/ナウキャスト、ジェーシービー)
2019年12月における、業種別指数「織物・衣服・身の回り品小売業」の月次結果(画像/ナウキャスト、ジェーシービー)

 JCBブランドのカードを使う国内約1億人(プロパー発行カードのみ)のうち、無作為抽出した約100万人分の決済データを活用する。個人を特定できない匿名加工情報に変換した上で統計処理を施し、そこから消費動向を示す指数を導き、契約する企業に情報提供する。実際の処理は、「日経 CPINow(旧東大日次物価指数)」などで知られる経済データ分析のナウキャストが担当する。

 業種によっては現金がよく使われるケースがあることから、統計処理に当たってはカード以外の決済手段も考慮して推計を行っている。結果として、経済産業省の「商業動態統計」などと相関関係がある指数になっているという。

 政府統計などではアンケート調査を実施するため集計に時間がかかり、対象となる消費者に偏りが生じてしまうこともある。JCB消費NOWはこうした課題を解消するものだという。「合計で年間約8000億円分の個人消費の傾向がスピーディーに分かる」(ナウキャスト代表取締役CEOの辻中仁士氏)。また、国内会員に絞ったデータ分析をしているため、インバウンド消費による増減の影響を除いた消費動向が分かる点も強みだという。

 対象となる39業種は、マクロ分類とミクロ分類に分かれる。マクロ分類は商業動態統計の分類に沿った網羅的な区分けで、「各種商品小売業」「飲食料品小売業」「医薬品・化粧品小売業」など全部で18業種ある。一方のミクロ分類は、マクロ分類から「スーパー」「酒屋」「医薬品」「家具」など特定セクターを切り出した区分けで、こちらは全部で21種類ある。辻中氏は、「ネット通販など、他ではカバーできていない業種について、正確な消費動向が追える」と胸を張る。

「JCB消費NOW」の対象となる業種。マクロ分類で18種類、ミクロ分類で21種類ある(画像/ナウキャスト、ジェーシービー)
「JCB消費NOW」の対象となる業種。マクロ分類で18種類、ミクロ分類で21種類ある(画像/ナウキャスト、ジェーシービー)

19年12月の消費動向はどうだったのか

 2019年12月の月次分を例に、どのような指数が得られるのか紹介しよう。全産業の動向を示すものとしては「消費総合」と、これを家電など有形なモノだけに絞った「消費総合(財)」と、美容院の利用など無形のモノ・サービスだけに絞った「消費総合(サービス)」の3種類がある。ここでは消費総合(財)について見る。

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