人気連載『イノベーション異論』の一休社長・榊淳氏による新連載。気鋭のデータサイエンティストを訪ね、「データサイエンスの未来」を語り合う対談企画だ。第1回はAIスタートアップ、HAiK(東京・渋谷)の山内宏隆社長と、AIの応用がなぜ軍事・金融で先行するのか。その理由を歴史に照らして考察する。
榊淳氏(以下、榊氏) 対談企画の初回ということで、山内さんの経歴からお聞きしますね。まず僕と山内さんとは、一緒に働く機会はなかったのですが、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のOBという共通点があります。山内さんは1999年に大学を卒業して、新卒でBCGに入社したそうですが、BCGを選んだのはなぜですか。
山内宏隆氏(以下、山内氏) 東京大学の法律専攻ということもあり、当時だと普通は、官僚か弁護士になる道を選びます。実際、僕も公務員志望でした。今でも国の仕事をしてみたいという気持ちがあります。でも、いろいろなOBを訪問してわかったのは、自分には公務員は向いていないことでした。
榊氏 今と違って、2000年前後に外資系戦略コンサルティングファームに新卒入社するなんて珍しかったでしょう。当時だと、変わった選択をした人というイメージですよね。
山内氏 実は将来を考えていた頃、BCGからインターンに誘われたのです。それがきっかけで入社したので、(他には)就職活動をしていません。ただBCGに在籍したのは、結局2年に満たない期間でした。
当時BCGのトップだった堀紘一さんが00年4月にドリームインキュベータ(DI)を設立したので、(同年)9月にはDIに移りました。実家が自営業だったので、どちらかと言うとベンチャーの方が性に合っていたんです。
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