消費者による化粧品の口コミ情報などを提供するコスメ・美容の総合サイト「@cosme(アットコスメ)」。同サイトを運営するアイスタイルは、購入客を2段階、見込み客を4段階にランク分けし、販促を効率的に行える化粧品メーカー向けのサービスを2019年12月から開始。新たな収益源に育てる予定だ。

アイスタイルが運営する「アットコスメ」は約3万4000ブランド、32万点の商品を掲載するコスメ・美容の総合サイト。画面のロゴは19年12月3日のアットコスメのサービス開始から20周年を記念して作られた新しいロゴ
アイスタイルが運営する「アットコスメ」は約3万4000ブランド、32万点の商品を掲載するコスメ・美容の総合サイト。画面のロゴは19年12月3日のアットコスメのサービス開始から20周年を記念して作られた新しいロゴ

 「これまで化粧品を販売する企業側は、購入者のデータしか把握できなかった。だが、自社の商品を閲覧したり、『お気に入り』に登録したりした人を将来購入につながりそうなユーザーとして可視化することで、その層を集めたグループインタビューやイベントを行えれば、より深いマーケティングが行えるはず」。そう話すのは、アットコスメを運営するアイスタイルの吉松徹郎社長だ。

 化粧品の販促をより効率的に行うためのサービスの名称は「ブランドオフィシャル」。19年9月26日に開催された同社のクライアント向け戦略発表会で、同年12月から本格的にサービスを提供すると発表した。

「購入してくれそうな人」の数が分かる

 具体的には、同サイトを訪れる月間約1350万人のユーザーのIDと掲載商品のIDをひも付けして管理。さらに、同社が運営するECサイト「@cosme shopping」、化粧品を販売するリアル店舗「@cosme store」の購買履歴なども各商品IDにひも付ける。その商品のページを閲覧した人の購入やクチコミ投稿行動を分析し、データベース化。商品は同一ブランドで口紅やメイク用品など複数を発売している場合は、各商品の情報をブランド単位で集約したうえで、購入客は2段階、見込み客は4段階の合わせて6つの階層に分けて可視化する(下図参照)。企業側は「自社ブランドの商品に興味を持ったが、買うまでには至らなかった」という人が何人いたか、見込み客を具体的に把握できるのがメリットだ。ユーザーの個人情報は開示しないが、どんな情報に触れることで、リピート客になっていったのかといった情報も分かる。

「閲覧」「購入」「リピート購入や口コミの投稿」など、ブランドに対するユーザーの行動をもとに、6つの階層に分類し、企業側に提供する
「閲覧」「購入」「リピート購入や口コミの投稿」など、ブランドに対するユーザーの行動をもとに、6つの階層に分類し、企業側に提供する
S~Eまで6つの階層の人数が分かるため、それぞれに応じた販促策を考えることができる。各ランクのユーザーが他社のどんなブランドにどの程度の関心を持っているのかも分かる
S~Eまで6つの階層の人数が分かるため、それぞれに応じた販促策を考えることができる。各ランクのユーザーが他社のどんなブランドにどの程度の関心を持っているのかも分かる

 一般的に、顧客情報の管理や分析までをひとくくりにしてCRM(Customer Relationship Management)と呼ぶ。ブランドオフィシャルもCRMの一種といえるが、まだ購入していない人の情報まで管理できる点が既存のCRMと大きく異なると、吉松社長。実は今回のサービスの青写真は、同社を創業した2000年ごろから吉松社長の心の中にあったという。

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