日清食品はスポーツ振興に積極的な企業だ。錦織圭、大坂なおみ、八村塁……など、サポートするアスリートには大物がずらりと並ぶ。その一方で、16年からeスポーツイベントの協賛も始めた。これは日本の非ゲーム系企業ではかなり早い。同社はeスポーツにどんな価値を見いだし、どう評価しているのか。

日清食品が協賛した世界的な格闘ゲームの祭典「EVO 2019」(写真/Shutterstock)
日清食品が協賛した世界的な格闘ゲームの祭典「EVO 2019」(写真/Shutterstock)

 日清食品がeスポーツイベントに初めて協賛したのは16年9~11月の「Logicool G CUP 2016」。米ライアットゲームズの人気ゲーム『League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)』を使った大会で、パソコン周辺機器メーカーのロジクール(東京・港)が主催した。

 「ものは試しだと思って参加してみたら、すごく楽しかった」。日清食品ホールディングス ブランド戦略室 グローバルスポーツマーケティングディレクターの平川邦夫氏はそう振り返る。「『いつも食べてるよ』とか『(協賛してくれて)ありがとう』とか、そういう声がユーザーからたくさん聞けて、とても反応が良かった」と笑みをこぼした。

ゲーム好きは即席麺が好き

 日清食品グループはもともとスポーツとの関わりが深い企業だ。同社のスポーツ支援活動をまとめたウェブサイトには、世界を舞台に活躍するアスリートの名前が並ぶ。「食とスポーツは健康を支える両輪。そこで挑戦する人を応援する土壌が日清食品にはある」(平川氏)。

日清食品グループのスポーツ支援活動をまとめたウェブサイト。テーマは「HUNGRY TO WIN 世界に、食ってかかれ。」。テニスの錦織圭、大坂なおみ、綿貫陽介、バスケットボールの八村塁、同社グループの陸上競技部を支援している
日清食品グループのスポーツ支援活動をまとめたウェブサイト。テーマは「HUNGRY TO WIN 世界に、食ってかかれ。」。テニスの錦織圭、大坂なおみ、綿貫陽介、バスケットボールの八村塁、同社グループの陸上競技部を支援している

 eスポーツへの協賛も同じ文脈だ。「駆け引きやテクニックを駆使して戦い、その勝敗に心動かされるのはeスポーツもリアルスポーツも変わらない。違いは、その表現がゲーム内にあるのか、生身の体なのかでしかない」(平川氏)。

 そのうえで、平川氏はeスポーツならではの強みも挙げた。「年齢や性別、体格差といった生まれ持ったものによる差が原則的にないこと。オンラインで対戦も観戦もできるので、選手、ファンが同じ場所にいる必要がないこと。それでいて“現場”で起こったことへの反応が広がるのがとても速いこと。これらは新しいスポーツならではの要素で、いろいろな方向に発展する可能性がある」と説明する。

 しかも、日清食品にとってプラスなのは「eスポーツと即席めんは相性がいい」ことだ。ゲーム中はゲームに集中するため、食事を手早く済ませたいというゲーマーは多い。「もともと肌感覚では即席めんとの相性の良さを感じていた」という平川氏だが、実際、同社が各国で消費者の嗜好や生活、購買行動などを調べた調査で、それが確認されたという。「データをひもといてみると、世界中には想像以上にゲーマーがいて、その多くは国籍や性別、年齢、言語などに関係なく即席麺が好きということが分かった」(平川氏)。

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