イッセイ ミヤケ(東京・渋谷)が人気バッグ「BAO BAO ISSEY MIYAKE」と類似のバッグを販売したとして、ラルジュ(東京・台東)に販売の差し止めと損害賠償を求めて提訴した裁判。色や形といったデザインの模倣ではなく、立体形状という製品の付加価値が保護されたという点で知的財産の新たな扉を開いた。

イッセイ ミヤケの「BAO BAO ISSEY MIYAKE」の一例
イッセイ ミヤケの「BAO BAO ISSEY MIYAKE」の一例
ラルジュの「Avancer」の一例。ピースのサイズや三角形の形、配置の規則性などは違うが、中に物を入れたときの立体的な形状が「似ている」と判断された(写真提供/三宅デザイン事務所)
ラルジュの「Avancer」の一例。ピースのサイズや三角形の形、配置の規則性などは違うが、中に物を入れたときの立体的な形状が「似ている」と判断された(写真提供/三宅デザイン事務所)

 対象となったのは、ラルジュが製造する「Avancer(アバンセ)」ブランドの類似バッグ8点だ。2019年6月18日、東京地方裁判所はイッセイ ミヤケの主張をおおむね認め、販売の差し止めと約7000万円の損害賠償支払いをラルジュに命じた。

 同判決について、イッセイ ミヤケの親会社に当たる三宅デザイン事務所 (東京・渋谷) の法務部長、中川隆太郎弁護士は「デザインが完全に一致していなくても、消費者が誤認・混同する恐れがあれば“類似している”と判断。当方の主張が反映されただけでなく、デザイン保護の観点からも意義のある判決だ」と語る。

 BAO BAO ISSEY MIYAKE(バオ バオ イッセイ ミヤケ)」(以下、バオ バオ)は、タイルのような三角形のピースで構成されたバッグとして知られる。バッグに物を入れると、三角形のピースの継ぎ目が折れ曲がり、外観が立体的に変形する。それぞれの使い方によって、外観が異なる点が最大の特徴といえる。

 今回の裁判で争点になったのも、そこにある。類似の対象となったバッグはバオ バオと同様の三角形のピースで構成されているが、さまざまな形の三角形を用いたり、ひし形や台形も使ったりしていた。だからバオ バオのデザインとは違うという考えがあった。17年にラルジュの製品を発見すると協議しようと文書をやり取りしたが、話し合いによる解決の見込みが立たないと判断。17年9月15日に東京地裁に訴訟を起こした。

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