企業がこぞってマーケティングに活用し始めたVTuber(バーチャルYouTuber)。そこに新たにチャレンジをしているのが、『宇宙兄弟』などのヒット漫画を手がけるコルクの佐渡島庸平氏だ。なぜ今、VTuberに熱を入れるのか、またマーケターはどうVTuberを活用すべきか、同氏に聞いた。

佐渡島庸平氏。コルク代表。2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当。12年に退社し、作家のエージェント会社・コルクを設立
佐渡島庸平氏。コルク代表。2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当。12年に退社し、作家のエージェント会社・コルクを設立

 東大合格を目指す『ドラゴン桜』や宇宙飛行士をテーマにした『宇宙兄弟』など、さまざまなヒット漫画を手がけるコルクの佐渡島庸平氏。新連載の『ドラゴン桜2』では、主人公の桜木建二をVTuberとしてデビューさせるなど、動画コンテンツを活用した新たなチャレンジをスタートしている。さらに、VTuberの新たなマーケティング施策を求め、プロデューサーの一般公募も開始。なぜ今、VTuberにチャレンジするのか、そして企業がVTuberを活用する意味や、実際に行う際の注意点とは。桜木の“中の人”も務める佐渡島氏にぶつけた。

 なぜ今、VTuberに取り組もうと考えたのか。

 三田紀房さんの漫画『ドラゴン桜2』の企画を始めたが、前作の『ドラゴン桜』の時代とは異なり、漫画雑誌で連載するだけでは高校生や大学生になかなかリーチができないという課題があった。そこで、圧倒的に若い層が使っている、YouTubeを組み合わせようと考えた。

 自分の息子を見ていても、何でもYouTubeで調べるのには驚かされる。例えば、運動会の前には走り方を検索して動画で確認するし、フラフープの回し方が分からなければコツを調べる。さらに、ゲームがうまくなりたいと思えばゲームの実況配信で学ぶ。受験勉強の分野でも、動画活用が進んでおり、今後YouTubeでもコンテンツが増えてくるはずだ。5分程度の短時間の勉強はYouTubeでサクッと行い、まとめてじっくり勉強したい時は従来通りに本を活用するなど、使い分けることが当たり前になる。

『ドラゴン桜2』は、落ちこぼれ高校生が東京大学合格を目指す受験漫画『ドラゴン桜』の続編。2020年の教育改革を見据え、新時代の勉強法を提示する。漫画雑誌『モーニング』(講談社)にて連載。YouTube上で「ドラゴン桜チャンネル」を運営中
『ドラゴン桜2』は、落ちこぼれ高校生が東京大学合格を目指す受験漫画『ドラゴン桜』の続編。2020年の教育改革を見据え、新時代の勉強法を提示する。漫画雑誌『モーニング』(講談社)にて連載。YouTube上で「ドラゴン桜チャンネル」を運営中

 勉強の細かいメソッドだけでなく、悩みに答えたり、エールを送ったりすることも、濃いファンを作るためには必要。その点では、キャラクターをまとうVTuberは、世界観を作り込みやすく、メッセージを伝えるのに最適だ。ドラゴン桜でいえば、教師である桜木が「東大を目指す受験生を応援する人」「勉強を教える人」「高い目標に対して人を鼓舞する人」のアイコンであり、例え中の人が入れ替わったとしても普遍性を保ち続けられる。当然、時代が変わっても、情報(中身)をアップデートしていきやすい。

誰もがアバターをまとい、VR空間を闊歩するようになる

 佐渡島さんはVTuber桜木の“中の人”も務めている。VR(仮想現実)の空間に桜木として入って、その可能性をどう感じたか?