ヨックモック(東京・千代田)が菓子の新ブランド「わたしときどきCookie」を2019年3月に立ち上げた。おいしいさと共に栄養価の高さを売りにするクッキー2種。デパート中心に展開してきた既存ブランドとは違い、スーパーで販売する。創業50年を迎えるギフト菓子の老舗が新領域開拓に挑む。
わたしときどきCookieシリーズの第1弾として発売したのは、「グラノーラ」と「いちじく」の2種類。いずれも食物繊維が多い全粒粉、ミネラルを含む粗糖やてんさい糖、ココナツオイルなどを配合し、栄養価の高さや素材の信頼性を前面に押し出した。ヨックモックホールディングス マーケティング部 マーケティンググループ グループ長の小野洋子氏は、「素材選びで意識したのは、一目見て“食べられるもの”だけでできていると分かること。食品添加物はもちろん、カタカナの長い名前が付いた食材など、ぱっと見て何か分かりにくいものは避けた」と話す。
かみ応えも重視している。これは少量でも満足感を得られるようにするため。「上質感や口溶けなどを特徴とするヨックモックのクッキーとはある意味、対照的」(小野氏)な発想だ。
菓子の食べられ方が2000年前半に変化
新ブランド開発の背景にあるのは、菓子の食べられ方の変化だ。小野氏によると、核家族化の進行や女性の社会進出に伴い、菓子は家庭で家族が分け合って食べるものではなくなってきたという。
オフィスでの菓子のあり方も変化した。江崎グリコが02年に開始したオフィス向け置き菓子サービス「オフィスグリコ」や、05年に発売したビジネスパーソン向けの菓子「メンタルバランスチョコレートGABA」に象徴されるように、仕事中のリラックスや間食として菓子を食べる習慣が一般化したのだ。その結果、菓子の個食化、日常化が進んだと小野氏は解説する。
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