「パートナー」をフル活用

 BODY ARCHIも、この「ネクシィーズ・ゼロ」のスキームで、急拡大を狙う。共同事業パートナーを募り、加盟金はもちろん、内装工事やエステマシンの導入費用、研修費用を、すべてネクシィーズ側が負担。初期費用「ゼロ」で開店できるようにし、営業開始後、店舗の売り上げから5年間60回の分割払いで初期投資額を回収する。パートナー企業に求めるのは、物件を見つけて契約すること。つまり、店舗さえ見つければ、すぐに事業が始められるようにする。

 1店当たりの規模は40~50坪(132~165平方メートル)で、従業員は常時4~5人、エステマシンは10~20台。目指すは年内に20店で、3年間で100店まで広げる計画だ。まずは東京から攻め、大阪や名古屋など、主要都市に広げる。ネクシィーズは全国各地に支社を持つため、その機動力を生かす考えだ。

 ターミナル駅なら、ドミナント展開も辞さない。「渋谷だと2店あっても足りないだろうし、銀座だと3店あってもいい」。佐藤氏は、表参道店でノウハウを積み上げ、「春までにポンポンと店を出したい」と先を見据える。

「大人かっこいい」を発信。平均年齢は35歳

 では、実際にどんな人が利用しているのか。表参道店では20代から50代まで幅広く、平均年齢は35歳だった。75分の長時間コースを選ぶ人が多いのが特徴だ。

 美意識が高く、金銭的に余裕が出てくるのは20代の後半から。BODY ARCHIでは、ブランドプロデューサーに、ローソンの「Uchi café Sweets」や渋谷ヒカリエのレストランフロア、東京會舘新本舘を手掛けた柴田陽子氏を起用。ウェブ広告やインフルエンサーを通じて積極的に「大人かっこいい」を発信した成果が出た形だ。

ターゲットは「大人かっこいい」女性。ロゴや店内のデザインは、コーラルピンクを基調にグレーを足した
ターゲットは「大人かっこいい」女性。ロゴや店内のデザインは、コーラルピンクを基調にグレーを足した

あえて用意した「ビジターコース」

 料金プランをよくみると、45分コースと75分コースに加え、「ビジターコース」がある。利用時間は45分間のみで、来店ごとの都度払い。15時までなら5000円、15時半以降なら6000円(いずれも税別)。2回以上通うなら、会員になったほうが元が取れる計算だ。

 「ウナギ屋で松、竹、梅とあって、梅を頼む人は少ない。たいていは真ん中の竹を選ぶか、少しお金のある人は松にいく。では、なぜ梅があるのかといえば、真ん中以上を選ばせたいから」(佐藤氏)。ビジターコースの存在が、結果的に月額会員の獲得に貢献している。

 好スタートを切ったBODY ARCHIだが、仮に初期費用が6000万円かかったとして、60回払いなら、毎月の支払額は100万円に上る。つまり、それだけの集客力を維持する必要がある。ネクシィーズ側にとっても、投資額の回収に失敗すれば多額の「不良債権」を抱える。信用力が高く、経営力がある企業をいかにパートナーとして囲い込めるか、目利き力も試される。

 こうした課題はあるが、見込み通りに全国に広がれば、「セルフエステジム」は一大ブームになるだろう。新たなサブスクサービスとして軌道に乗せられるか。まさにスピード力が鍵を握る。