滋賀県庁の職員有志が、デザイン思考の手法で県民の本音から政策を考えるべき、と県知事に提言した。中核となったのは地元の「Policy Lab. Shiga」という任意団体。デザイン思考による新たな試みとして注目される。

11月5日には県知事とPolicy Lab. Shigaのメンバーが意見交換を行う「場」が設けられた
11月5日には県知事とPolicy Lab. Shigaのメンバーが意見交換を行う「場」が設けられた

 Policy Lab. Shiga は、滋賀県庁の職員有志を中心とした政策研究プロジェクトだ。滋賀県民の未来を考えることを目的とした、若手職員が中心の非公式業務といえる。「行政の仕事は、与えられたスローガンや事務分掌だけにしばられがち。滋賀県では“対話と共感、協働で築く県民主役の県政の実現”という理念が県行政経営方針で定められているが、もっと組織の枠を越え、県民の本音を起点にした共感に基づく政策形成ができないか、考えた」と、Policy Lab. Shigaの筈井淳平氏は言う。本音といっても、アンケートや統計データでは分かりにくい。そこでデザイン思考に着目し、人間を中心とした考え方を生かそうとした。

 滋賀県では三日月大造知事が2016年8月、デザイン思考の研究で知られる米スタンフォード大学のd.schoolを視察。デザイン思考の有効性を評価した談話を発表していた。「本県も人口減少局面を迎え、これまでに経験したことのない新たな時代に入っています」「“成長よりも成熟”“競争よりも共生”の社会づくりを進めていくためには、県政のあらゆる分野においてこれまでのやり方や考え方から脱し、県政に変革を起こしていく必要があります」「私たち行政もいま一度現場に入り、固定観念を排除して“本当の課題は何なのか”と課題を再定義し、たくさんのアイデアを出し合いながらその課題の解決に向けて挑戦していくことが必要だと感じています」といったものだ。

Policy Lab. Shigaが作成した三日月知事向けの「提言書」
Policy Lab. Shigaが作成した三日月知事向けの「提言書」
提言内容は2つ。県民の本音をどう政策形成に反映させるかを提案しており、デザイン思考が有効としている
提言内容は2つ。県民の本音をどう政策形成に反映させるかを提案しており、デザイン思考が有効としている
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