2020年の家電はどう進化するのか。それを占ううえで格好の事例がある。パナソニックが18年11月2日にお披露目した「HomeX」だ。東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催された同社の創業100周年記念イベントで初めて公開した。AI(人工知能)などを駆使し「日々、新鮮な驚きがある暮らし」を提供することを目指すという。

HomeXはテレビや冷蔵庫、エアコンといった家電に分類されるものではなく、IoTやクラウド技術、AI(人工知能)と連動した「くらしの統合プラットフォーム」だと、パナソニックは位置付けている。壁に取り付けた「HomeX Display」のタッチパネルで、HomeXに対応するさまざまな家電や住宅設備機器を操作したり、料理のレシピといった生活情報を表示したりする機能を備える。
東京・駒沢の住宅展示場「駒沢公園ハウジングギャラリー」にあるパナソニック ホームズの住宅「カサート アーバン」にはHomeXが導入されており、リビングやキッチン、寝室、玄関など各スペースに1台ずつ、HomeX Displayを設置している。
現在はプロトタイプの段階で、実際にHomeXが稼働するのは19年春以降になるもようだが、受注自体は18年11月3日から始まった。20年になればHomeXに対応する家電も続々と登場する見込み。パナソニックは社外にもHomeXの導入を呼び掛けており、既に国内外の数社が賛同の意を示しているという。HomeX向けのAPIも200種類以上を用意しており、他社の家電とも接続できる。「もはや1社だけで取り組む時代ではないし、これだけのことを実現できるメーカーも世界にそう多くはない」と開発を手掛けたパナソニック ビジネスイノベーション本部の馬場渉本部長は言う。
HomeXは、他社の住宅やマンション、中古物件にも設置できる。今後は複数メーカーの機器がHomeXから操作できるようになるとのことなので、より注目が集まりそうだ。



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