住友生命保険が2018年7月24日に発売した健康増進型保険「Vitality」の出足が好調だ。「健康になるために入る」という前向きな商品コンセプトと、運動に取り組むほどポイントがたまって保険料が割引になるユニークな仕組みが特徴の同商品。契約者と営業の関係にも変化が起きている。新しい生保商品の好調の理由に迫る。

住友生命保険の健康増進型保険「Vitality」
住友生命保険の健康増進型保険「Vitality」

 健康増進型保険の本命という触れ込みで登場した住友生命保険Vitalityの契約数が、販売開始1カ月半で5万5000件を突破した。Vitalityは、南アフリカの金融サービス会社、ディスカバリーが開発した、健康状態や健康活動に応じて保険料が変化する保険商品。これまで世界17カ国・地域で展開し、顧客数は800万人を超える。今回、18カ国目として住友生命が独占契約し、日本にも上陸した。

 Vitalityの導入・開発をリードした同社営業企画部次世代マーケット開発室上席部長代理の雨宮大輔氏は、「初動としては、当社の主力商品である就労不能保険『1UP(ワンアップ)』発売時の1.5倍に当たるペースで、いいスタートを切れた」と手応えを語る。

 一般的に生保はその商品性質上、必要性は感じてもワクワク感を持って契約に至るタイプの商品ではない。だがVitalityは顧客側から説明を聞きたいとアプローチしてくるケースが多々あるという。

 人気の理由は、「万が一の備え」という“後ろ向き”の発想ではなく「健康になるために入る」という“前向き”発想の商品であること。そして、健康チェックや運動に取り組むほど保険料が毎年1~2%割引になる、従来型保険にない変動制のユニークさにある。

 特に反響があるのが、日ごろからジムに通ったり走ったりとカラダを鍛えることに熱心な層だ。自己鍛錬に努めている人は、何もしていない人と保険料が同じであることに不満を持っている人も少なくない。その点、健康に努めるほど割引になるVitalityはアスリート向きと言える。週ごとに設定された運動目標ポイントを達成すると、ローソンのコーヒーやスムージー、スターバックスコーヒーのドリンクチケットなどが獲得できる、モチベーションを高める仕組みについても評価が高い。

 7月末には、東京ビッグサイトで開催されたスポーツと健康産業の展示会「スポルテック2018」に出展してブースを出した。「周りはスポーツジムやトレーニング機器、健康食品が出展している中で、保険が受け入れられるか不安もあったが、資料を求める人がたくさんブースを訪れてくれた」(雨宮氏)。Vitality契約者が早々に知人を紹介してくれるケースも、従来商品と比べて順調に伸びているという。確かに、リスク回避型より健康増進型の方がお薦めもしやすそうだ。

 雨宮氏は、「顧客と当社営業のコミュニケーションも変わってきた。これまで生保は、勧誘時は熱心だが契約後は放っておかれるイメージがあったと思う。その点、Vitalityは、営業が契約者の累計ポイントを見ながら『頑張ってますね』と声をかけたり、獲得ポイントがゼロで翌年割増しになりそうな契約者に健康チェックを促したりと、契約後も活動履歴を基に会話が増えやすい特徴がある」と語る。コミュニケーションの増加は、解約率の低下につながる要素だ。

 Vitalityの販売目標は10年で500万契約と大きい。それでも、各地のマラソン大会に出場するような周囲から一目置かれている健康インフルエンサーに訴求して契約を増やせれば、加入者がクチコミで広がっていきそうだ。