AI(人工知能)がもてはやされる一方で、漁業や農業といった日々の生活に直結するクリエーティブな分野が軽視されているのではないか――。「無印良品」がオープンした新業態店舗に込めた狙いを探った。

大阪府内で生産された野菜と果物などが並ぶイオンモール堺北花田店の青果売り場。スライス、千切り、みじん切りなど野菜のカットを無料でサービス
「無印良品」を展開する良品計画は2018年3月20日、イオンモール堺北花田店(大阪府堺市)を移転・増床し、同社初の本格的な食品専門売り場を設けた。
店舗全体の売り場面積は改装前の10倍の4300平方メートルとなり、国内外の全870店舗で最大規模。生活雑貨や衣料品といった従来からの売り場に加え、生鮮食品と総菜、食料品、ベーカリーなどを取り扱う食の大型売り場を開発。飲食業態の「カフェ&ミールMUJI」とフードコートも導入した。
対話を重視して市場感を再現

大阪・岸和田の木下さんが作るフルーツトマトを熱心に販売する青果売り場のスタッフ。木下さんは高糖度のトマトができるバッグ栽培を採用している
「岸和田の木下さんのフルーツトマト、めちゃくちゃ甘くてコクがあっておいしいよ」
「無農薬なのでお子様も安心」
「大阪で唯一バッグ栽培で作ったトマト食べてってよ」
オープン初日の青果売り場。スタッフがおすすめのミニトマトを高く掲げながら、来店客に気前よく振る舞っていた。店内に響くほどの大声で客の注目を集め、売り場に活気を生み出すやり方は、スーパーマーケットやデパ地下の手法そのものだ。
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