ブランディングプランナーの細谷正人氏が新たな視点でブランディングデザインに斬り込み、先進企業に取材する連載「C2C時代のブランディングデザイン」。前回に引き続き、花王がESG戦略として推進する新ライフスタイルブランド「MyKirei by KAO」を取り上げます。今回は解説編の後編。
<前回(第30回 花王が2030年に目指す3つの柱 ESG経営でのブランド意義)はこちら>
MyKirei by KAOはKirei Lifestyleを体現するブランドとして、まず2020年4月に米国でビジネスをスタートさせ、販売チャネルにはAmazonを活用しています。今回発売する同ブランドの「シャンプー」「コンディショナー」「ハンドウォッシュ」には、花王が開発したプラスチックフィルム容器「Air in Film Bottle(エアインフィルムボトル)」を初めて採用しています。
フィルムは詰め替え用容器に使われる軟らかい素材ですが、容器の外側に空気を入れて膨らませることで、自立する容器として使用することができ、プラスチックの使用量をポンプ型ボトルに比べ約50%少なくすることができるそうです。
MyKirei by KAOのブランドコンセプトは、「Live Kirei Lifestyle “Every facet of daily life is filled with caring”」(隅々までおもいやりに満ちた毎日の“きれいな”暮らし)です。ネーミングでもある日本語の「Kirei」という言葉は、「美しさ」や「清潔」という意味だけでなく、心の状態や生きる姿勢も表しています。自分自身に加え、社会の「Kirei」にもつながっていく言葉として、日本語の響きのままで使用しています。
MyKirei by KAOは今後、日本や欧州、その他アジアなどで順次展開を拡大する予定ですが、まず米国でAmazonの販売チャネルを活用して発売した理由は3つあります。
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