ブランディングプランナーの細谷正人氏が新たな視点でブランディングデザインに斬り込み、先進企業に取材する連載「C2C時代のブランディングデザイン」。前回に引き続き、花王のESG戦略として推進する新ライフスタイルブランド「MyKirei by KAO」を取り上げます。今回は解説編の前編。

前回(第29回 花王、ESG戦略の新ブランドMyKireiを米国で始めた理由)はこちら

「Kirei Lifestyle Plan」のコンセプトムービーの一場面(「花王のESGビジョン(動画)」より)
「Kirei Lifestyle Plan」のコンセプトムービーの一場面(「花王のESGビジョン(動画)」より)

 2019年3月15日、125カ国で100万人以上の若者たちが参加したストライキをご存じでしょうか。「未来のための世界気候ストライキ」は、ほとんど日本では知られていませんでした。ストックホルムに住む16歳のグレタ・トゥーンベリさんが気候変動に対する政府の無策に抗議するために始めた学校ストライキは、SNSによって瞬く間に世界に拡散されました。

 「大人は、子供の未来を全然配慮していない。だったら私も遠慮なんてしない」という彼女の思いは、SNSで「#FridayForFuture(未来のための金曜日)」というムーブメントになり、トゥーンベリさんのInstagramのフォロワーは1064万人(20年8月時点)。彼女の素晴らしいアクションや発言は、世界中に影響を与えています。

 彼女が叫ぶ、「私たち子供がこの問題を解決するのは不可能なんだ」というメッセージは、とてもインパクトがあります。SDGs(持続可能な開発目標)は、単純に効率性を追求していく従来のビジネス視点とは異なり、1人の人間として利他的な視点、未来を見据えた長期的な視点を持てるかどうかが、私たち大人に試されているのだと思います。

 そうした生活者の意識が変わっている潮流の中で、日本を代表する企業である花王がESG(環境・社会・ガバナンス)ビジョンを策定しました。さらにそのビジョンを具体的に遂行するための、新しいブランドを立ち上げました。地球環境に関する課題が山積みで待ったなしの社会状況にあって、世界に向けて日本企業は何をすべきか。未来を見据えた“生活”と、利益を追求する“産業”という相反する要素にどう立ち向かっていくべきなのか。そして、ブランド戦略はどうすべきなのか、ということをお聞きしたく、花王のESG部門ESGコミュニケーション担当部長の大谷純子氏と、欧米事業統括部門欧米事業部新規事業グループ部長の畑瀬孝利氏にインタビューをしました。

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