既存顧客の売り上げを拡大する取り組みである「カスタマーサクセス」。その業務を疑似体験するストーリーを、書籍『実践カスタマーサクセス BtoBサービス企業を舞台にした体験ストーリー』(日経BP、2023年) ▼Amazonで購入する から一部抜粋してお届けするシリーズの第3回。初めてカスタマーサクセスの業務に取り組んだ主人公の高山浩介は、その目標を定めるべく「売上継続率」について調べ始めた。

※日経クロステックの記事を再構成
▼前回はこちら もしあなたが、カスタマーサクセスの導入担当者に指名されたら?

〈ドキュメント:カスタマーサクセスの目標とは何か〉

 高山浩介がデスクで資料をまとめていると、部長の豊川貴久が声を掛けてきた。

 「カスタマーサクセスについては分かってきたか?」

 「はい、歴史的なことはだいたい」

 高山がうなずくと、豊川はにっこり笑った。

 「そうか。それなら、カスタマーサクセスに漠然と取り組んでもしょうがないから、目標を立てて提出してくれ」

 豊川は高山の肩を軽くたたくと、次の用事があるらしく足早に部屋を出て行った。

 ──確かに目標がないと行き当たりばったりになってしまうな。しかし、カスタマーサクセスの目標とは何だろう。サブスクリプションだから、顧客生涯価値のLTV(Life Time Value)の数値を掲げるのだろうか?

 高山は、藤島誓也にメールを送信した。「カスタマーサクセスの目標とは何ですか? 今度教えてください」

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