2023年3月3日発売の「日経トレンディ2023年4月号」 ▼Amazonで購入する では、「資格・転職・副業の新しい地図」を特集。30代前半までは特定のジャンルに特化した強みをつくることが付加価値につながるが、40代・50代ではむしろジェネラル型が重要だ。まずは自分のスキルを棚卸しして、文系であれば、デジタル系やMOSエキスパート、簿記、など、理系であれば、ダンスや料理、アートなど感性を磨く資格を身に着けたい。

※日経トレンディ2023年4月号より。詳しくは本誌参照

カクシン代表取締役 田尻望 氏
カクシン代表取締役 田尻望 氏
カクシン代表取締役 田尻望 氏
京都府生まれ。2008年大阪大学基礎工学部卒業。キーエンスでコンサルティングエンジニアとして重要顧客を担当するなど活躍後、コンサルティング会社を設立。著書に『付加価値のつくりかた』(かんき出版)ほか

「30代前半までは1~3のジャンルに特化した強みをつくることが、社内での付加価値につながる。しかし、40代・50代ではむしろジェネラル型が重要だ」と指摘するのは、国内屈指の高収益を上げる制御機器大手キーエンス出身の田尻望氏だ。

 なぜなら、上に行くほど大きな部署を掌握し、全社を俯瞰して変革する必要が出てくるから。「所属部門以外は知らない」では済まされない。例えばマーケティング畑を歩んできた人が店舗開発や商品企画も統括したり、宣伝部から人事部に異動したりすることもあるだろう。また経営層になればビジネス会計や簿記2級レベルの、決算書や財務諸表を読み取る数字力は必須だ。

「日経トレンディ2023年4月号」の購入はこちら(Amazon)

 まずは自分のスキルを棚卸しして、補強すべき資格やスキルを考える。田尻氏が有効と見る資格は、文系であれば、デジタル系やMOSエキスパート、簿記、ファイナンシャルプランナー(FP)など。理系であれば、ダンスや料理、アートなど感性を磨く資格がよいという。

「理系の人は物事を数字で見ようとするが、人は数字では動かない。物を買うなどの行動変容は感動によって起きるため、感性を鍛えた方がいい。感動と数字のつながりを理解すると仕事がうまくいく」(田尻氏)。逆に文系で数字に強くない人は、仕事を俯瞰するのが苦手。データで物事を把握するのはマネジメント層に欠かせないスキルだ。IT系スキルや簿記などで数字でまとめる力や情報処理する力、FPで税務、法務、保険、債券ほかファイナンス系全体の知識を会得すると役立つ。

「キーエンスの行動指針として常に言われるのは、目的意識、目標意識、問題意識の3つを明確にすること。リスキリングも同じ」と田尻氏。自分が補強すべき点が見つかったら、目的・目標・問題を明確にしてリスキリングに臨みたい。

 始めた学び直しを成功させるにもコツがある。「学習は仕組みが9割だ」と田尻氏は語る。

この記事は会員限定(無料)です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
1
この記事をいいね!する