2023年3月3日発売の「日経トレンディ2023年4月号」 ▼Amazonで購入する では、「資格・転職・副業の新しい地図」を特集。年収水準の高い求人では、企業が人材を能動的に検索してスカウトを送れる「ダイレクト・リクルーティング」が増加し、好条件の求人ほど応募の門戸が開かれない厳しい状況になりつつある。複雑化する転職市場を勝ち抜くため、まずは転職市場全体の「新常識」をしっかりと押さえたい。

※日経トレンディ2023年4月号より。詳しくは本誌参照

ダミーダミー
「一本釣り」型の採用が増加し、好条件の求人ほど応募の門戸が開かれない厳しい状況になりつつある

 一時は落ち込んだ求人数は、コロナ禍前を超える水準まで回復。ただし、売り手市場でもすべての転職志望者に有利な状況とは言えない。

 激化する人材獲得競争を背景に、特に年収水準の高い求人では、企業が人材を能動的に検索してスカウトを送れる「ダイレクト・リクルーティング」と呼ばれる「一本釣り」型の採用が増加。転職サイト「ビズリーチ」はその代表格だ。大手企業での「リファラル採用」も増え、好条件の求人ほど応募の門戸が開かれない厳しい状況になりつつある。

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 こうした複雑化する転職市場を勝ち抜くため、従来の転職サイト、エージェント、そして新たなスカウト型の転職サイトを賢く使い分けていく必要があるのだ。

 まずは転職市場全体の「新常識」をしっかりと押さえておこう。

 コロナ禍やDX化の加速といった社会背景により、人材ニーズはどのように変化したのか。人材サービス各社が口をそろえるのが「変化への対応力」「言語化力」「領域横断力」だ。

 転職サービス「doda」(パーソルキャリア)の編集長・大浦征也氏によると、変化が激しく先行きが不確実な社会の中では「よりスピーディーで柔軟な対応力、サービスの変革やプロダクトに落とし込む実行力を求める傾向が強まっている」。

 リモートワークが定着した影響について、人事・採用コンサルティング「人材研究所」の安藤健氏は、仕事の途中段階が見えなくなり、成果主義的に評価される傾向が強まったと指摘。「プロセスを的確に言語化できないと、仕事がスムーズに運ばないだけでなく、評価も受けづらい」

 リクルート・HR統括編集長の藤井薫氏は「専門分野特化型よりも、複数分野での経験を生かし、他部署や社外とコラボしてプロジェクトを動かせる、領域横断型の仕事ができる人の評価が高まっている」と言う。

 こうした人材ニーズを踏まえた上でキャリアアップ転職を目指すなら、まず大事なのは自分のスキル・経験の価値を正しく把握することだ。有用な経験分野の掛け合わせが3つ以上ともなると希少価値は大きく高まる。2~3手先での年収アップを見据えてコマを進める「布石的転職」の考え方も重要だ。

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