スタバ出店戦略の極意 第5回

 2030年までに二酸化炭素(CO2)や廃棄物の排出量、水使用量の50%削減を目指すスターバックス。達成に向けた環境負荷低減の取り組みを進めるため、独自の国際認証基準を策定し、店舗への導入を進めている。22年6月にオープンした「道の駅みのりの郷東金店」は、そのひとつだ。「環境配慮型」の店を自分事化してもらうために、2人の設計担当者が考えていることとは。

店舗開発本部店舗設計部コンセプトデザイングループの中川拓真氏(左)と柳和宏氏(右)(写真/小野さやか)
店舗開発本部 店舗設計部 コンセプトデザイングループの中川拓真氏(左)と柳和宏氏(右)(写真/小野さやか)

 スターバックスの社内には「GIFT(ギフト)」という仕組みがある。新店舗のオープン前に、設計の担当者などが、「つくった側の思い」をこれから店舗で働くパートナー(従業員)に伝え、想いを共有する場だ。

 2022年6月、千葉の外房で初となる店舗「道の駅みのりの郷東金店」が開店する際にもギフトの場は設けられた。店舗開発本部店舗設計部コンセプトデザイングループの中川拓真氏は、「できるだけ分かりやすい言葉で、環境に配慮した店であることを伝えるように心掛けた。パートナーが感じ取り、具体的な言葉や活動になっていくまでサポートしていきたい」と語る。

道の駅みのりの郷東金店
道の駅みのりの郷東金店

 スターバックスが2年前から展開する「グリーナーストア」は、環境配慮型の店舗だ。21年12月、東京・大手町にオープンした「皇居外苑 和田倉噴水公園店」(東京・千代田)が1号店。千葉県東金市の道の駅みのりの郷東金店は2号店となる。

 グリーナーストアは、スターバックスと世界自然保護基金(WWF)が共同策定したスターバックス独自の国際認証「Greener Stores Framework(グリーナーストアフレームワーク)を取得した店舗だ。「エネルギー効率」「水の管理」など8項目(下図)が掲げられ、CO2排出量や電力の削減、節水、廃棄物削減などの基準が設けられている。実は、「道の駅みのりの郷東金店」のあと、22年10月以降にオープンした店舗の多くが「グリーナーストア」(認証取得の申請中)だ。スターバックスの店舗は、今や環境配慮型が「基本」となっている。

グリーナーストアのフレームワーク
グリーナーストアのフレームワーク

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