2022年11月30日にリリースされ、月間ユーザー数が1億を超える衝撃的な勢いで広がる対話型AI(人工知能)チャットツール「ChatGPT」。さらに23年になって上位互換ともいえるサービスを米マイクロソフトが投入した。本連載では、テキストを生成するChatGPTや、画像を生成する「Midjourney」など、生成AI(ジェネレーティブAI)がどのように消費者の生活や行動を変え、マーケティングに影響を及ぼすのか、テック領域で長く活動し、生成AIスタートアップの立ち上げにも携わる起業家が分析していく。
米OpenAIが開発した対話型生成AI(人工知能)の「ChatGPT」が史上最速で月間ユーザー数1億を突破し、それに危機感を覚えたインターネット界の巨人、米グーグルが社内に非常事態宣言を発令するなど、いま生成AIは最も注目すべき技術領域だ。
今後間違いなく私たちの全てのデジタル活動を刷新するであろう生成AIによって、消費者の行動、そして企業のマーケティングはどう変化するのかを本連載では具体的な事例とともに解説していく。
筆者は、XR/メタバースをテーマにしたスタートアップを5年経営したのち、現在は生成AIを活用したスタートアップの設立に携わっている。生成AI関連サービスの熱心なユーザーであり、つくり手でもある筆者がつかんだ激動の生成AI領域の見取り図を、リアルタイムに共有することを本連載では目指したい。
初回となる本記事は、話題のChatGPTをはるかにしのぐ新サービス「BingAI」と検索の未来について解題する。
米マイクロソフト「BingAI」の衝撃
テレビ番組でも特集されるなどChatGPTへの注目が高まっているが、その上位互換ともいわれるBingAIはもう使われただろうか?
米マイクロソフトの検索エンジン「Bing」に追加されたAIチャット機能、通称BingAIは、ChatGPTで使われてるGPT3.5というモデルの発展版をOpenAIが米マイクロソフトに提供する形で作られた。GPTの事前学習モデルに加えてBingの最新データも踏まえることで、非常に精度が高く正確な回答をすることが可能になっている。
2021年末までの学習データの範囲内で回答するChatGPTに対し、最新の情報も踏まえて回答を返してくれるBingAIは私たちの検索行動を再定義する可能性を秘めるサービスといえる。課題や活用の際の問題点は今後の記事で触れるが、まず本記事ではそんなBingAIで何ができるのか、BingAIで具体的に私たちの検索行動はどう変わるのかについて解説する。
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