
天才たちはどんな本を読んでいるのか? テスラのイーロン・マスク、アマゾンのジェフ・ベゾス、マイクロソフトのビル・ゲイツ。世界一の富豪になったイノベーターたちは、実は猛烈な読書家です。この連載では、3人が読んだ100冊の本のエッセンスを紹介した書籍『天才読書 世界一の富を築いたマスク、ベゾス、ゲイツが選ぶ100冊』 ▼Amazonで購入する の発売に合わせ、彼らのような天才たちが読書を経営や人生にどう生かしているのかについて読み解きます。今回は天才たちの人柄を取り上げます。イーロン・マスクやスティーブ・ジョブズはイノベーターとしては突出した成果を生んでいますが、人格に問題があるとの指摘もあります。破天荒な天才たちの性格にはどのような特徴があるのでしょうか?
テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスクに対する批判が高まっています。「(買収した)ツイッターの従業員をいじめている」「自分を批判したジャーナリストのツイッターアカウントを凍結するような姿勢は許せない」……。ツイッター買収とその後の容赦ないリストラ、周囲があきれるような言動を受けて、マスクの人柄には問題があるという声が目立つようになりました。
ジェフ・ベゾスもアマゾン社内で「ナッター(狂気)」と呼ばれており、部下を激しく叱責(しっせき)することで知られていました。仕事に激しい情熱を燃やす一方で、「君は無能なのか?」「そんなアイデアを出すなら首をくくらなきゃいけないな」と社員を叱るような非常に厳しい一面を持っていたそうです。
▼関連記事 “狂気”と呼ばれたアマゾンのカリスマ、ベゾスの「教科書経営」「天才はいつも私たちをがっかりさせてくれる。少なくとも人としては。ただ、その非は私たちの側にある。天才の基準は、その功績であって、人格でないことを私たちは忘れている。功績とモラルは別物になる可能性があることを私たちは見落としている」
『イェール大学人気講義 天才~その「隠れた習慣」を解き明かす』の著者で、同大学で天才に関する講義を担当してきたクレイグ・ライトはこう述べています。
天才の功績と人格は切り離して考えるべきだ、というのがライトの主張です。マスクの性格に問題があったとしても、テスラがEV(電気自動車)で起こしたイノベーションや、スペースXで再利用可能な宇宙ロケットを実現した実績は色あせることはありません。ベゾスが率いたアマゾンが小売りの世界を激変させたことに異論を唱える人もまずいないでしょう。

傑出した天才たちの人柄にはどのような共通点があるのでしょうか? 自分勝手で周囲のことをあまり考えない、性格に問題がある人物が多いという印象は確かに否めません。
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