
- 全7回
「ブランディング」の誤解
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- 第1回
- 2023.02.13
ローソンPB騒動、高級食パンの盛衰に学ぶ「ブランディングの誤解」 革新的な印象を与える広告をつくったり、商品を現代風のデザインに刷新したりする、いわゆる“ブランディング”に取り組めば業績が上がるという誤解が広がっている。ブランドとは本来、商品を区別する「識別子」にすぎない。本特集では成功例や識者への取材を通じて「ブランディングの誤解」を解き、ブランドの本質を学ぶ。 -
- 第2回
- 2023.02.15
水曜日のネコ、正気のサタン 奇抜な商品名に緻密なブランド戦略 「よなよなエール」「インドの青鬼」「水曜日のネコ」「正気のサタン」……。ヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)が手掛けるビールは、いずれも個性的な商品名やパッケージデザインが特徴だ。だが、決して一過性の話題と売り上げづくりを狙い、奇をてらったマーケティングをしているわけではない。事実、同社のブランドの多くは顧客に長く愛飲されている。それは19期連続増収という業績にも現れている。 -
- 第3回
- 2023.02.16
見抜かれた不自然な広告 ニューバランスが見つけた本当の便益 「ニューバランス」のスニーカーの履き心地は、高級車になぞらえて“ロールスロイス”と称される。そうした強い独自性をもってしても、便益と結び付けなければ顧客には手に取ってもらえないという。過去に実施した若年層を対象とした広告施策では、消費者の中で商品、便益、独自性が結び付いておらず、「つくりものである」と看破された。ニューバランスが強いブランドでいられるのは独自性に甘んじず、便益と結び付けて顧客に提案し続けているからだ。 -
- 第4回
- 2023.02.17
ブランドの差別化は「競合との比較」にあらず 独自化こそが必要 Strategy Partners(東京・港)代表取締役の西口一希氏のインタビューを基にした記事「P&Gでの失敗で気付いたブランディングの誤解 顧客は便益で買う」は、大きな反響を呼んだ。本特集では再度、西口氏への取材を敢行。「ブランディングの誤解」が広がる背景、ブランディングを正しく行うための手順、その際に気を付けるべき表現方法のポイントなどについて聞いた。 -
- 第5回
- 2023.03.01
「10年売れる商品」のつくり方 長寿、短命ブランドの違いとは 「新商品頼みの組織体制では、中長期的に利益を生み出せるブランドはつくれない」。そんな経営哲学で、着実に会社を成長させてきたのが、健康食品や化粧品などの商品をECで販売する北の達人コーポレーションの木下勝寿社長だ。同社は「びっくりするほど良い商品ができたときにしか発売しない」という方針の下、高い便益と独自性を持つ商品にこだわって開発してきた。ブランドとは、商品が持つ便益と独自性の体験を積み重ねることで顧客の中にできあがる。木下社長に「強いブランドをつくる条件」をぶつけた。前後編に分けて公開していく。 -
- 第6回
- 2023.03.02
「5秒で伝わる価値」が売れる商品の条件 ブランドとは“後付け” 北の達人コーポレーションが商品開発のプロセスで重視するのは「一言で伝わる商品価値の明確化」と「商品の対象となる顧客層に対する街頭アンケート」だ。商品を作ってから、売り方を考える「プロダクトアウト」型では成功確率は低い。顧客を起点とした「マーケットイン」の商品開発と、その商品価値を最大限に伝える販売手法を並行して戦略を立てるのが、顧客に長く愛されるブランドづくりの秘訣だ。木下社長が自社の商品開発プロセスのすべてを明かした。 -
- 第7回
- 2023.03.09
ファンケルが陥ったブランディングの誤解 商品刷新失敗から復活 ロングセラー商品の多くは、時代に合わせてパッケージや成分を刷新しながら、顧客に価値を届け続けている。だが、顧客が刷新を望むとは限らない。ファンケルの「マイルドクレンジングオイル」(以下、マイクレ)は1997年の発売以来、現在も主力商品だ。だが、かつてファンケルはマイクレのパッケージのデザイン刷新によって、売り上げが目標を大きく下回り、わずか1年で再改修する大失敗を味わった。