パナソニックデザインの挑戦 第10回

ブランド戦略・事業戦略に基づく一貫した世界観・体験を提供できる仕組みとして、パナソニックは2023年1月1日にコミュニケーションデザインセンター(CDC)を発足させた。デジタル時代における新たな施策も推進し、若い世代にも強くアピールしていく。

3カ月に1回、全カテゴリーの担当者が集まり制作の検討をする「コミュニケーションディレクションレビュー」を実施(写真提供/パナソニック)
3カ月に1回、全カテゴリーの担当者が集まり制作の検討をする「コミュニケーションディレクションレビュー」を実施(写真提供/パナソニック)

 コミュニケーションデザインセンター(CDC)のミッションは「パナソニックを次の100年も選ばれ続けるブランドとして確立する」こと。「買ったらパナソニックだったではなく、パナソニックだから買いたいというブランドにしていきたい」とCDCセンター長の村山靖氏は語る。

パナソニック デザイン本部コミュニケーションデザインセンター センター長の村山靖氏(写真/名児耶 洋)
パナソニック デザイン本部コミュニケーションデザインセンター センター長の村山靖氏(写真/名児耶 洋)

 CDCを発足させる背景にあったのは、統一されたブランディングイメージがなかったこと。パナソニックは日本での認知度は90%を超えるブランドである。ただしブランドイメージ調査をすると、若年層、特にZ世代においてはブランド評価が低く、安心感はあるが積極的に選ぶ理由はないという結果が出た。「空気のように、パナソニックの存在が希薄になっていた」と村山氏は言う。

担当者が集まりデザインを高める

 ブランドイメージの希薄化の一因となったのが、各部門・各担当者がそれぞれのベストを追求するという、個別商品での最適化を行ってきた点。パナソニックとして顧客価値や世界観に統一感がなかった。

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