パナソニックデザインの挑戦 第8回

特集の8回目は、パナソニック デザイン本部の FUTURE LIFE FACTORYによるユニークな試みを取り上げる。それが試作品の完成度を上げるコミュニティー「EPYTOTORP(エピトトープ)」だ。ユーザーと企業が一緒になってつくるという、新たなものづくりの手法に挑戦している。

「EPYTOTORP」のWebサイト
「EPYTOTORP」のWebサイト
「EPYTOTORP」のWebサイトには6つの試作品が掲載されている。貢献者になるにはWebサイトから申し込み、郵送で届く試作品のキットを組み立て、使用してみた感想を回答すると「コントリビューター」として名前がWebサイトに掲載される(EPYTOTORPのWebサイトから)
「EPYTOTORP」のWebサイトには6つの試作品が掲載されている。貢献者になるにはWebサイトから申し込み、郵送で届く試作品のキットを組み立て、使用してみた感想を回答すると「コントリビューター」として名前がWebサイトに掲載される(EPYTOTORPのWebサイトから)

 FUTURE LIFE FACTORYは、今までにない商品の先行提案をしている。「これからの豊かな暮らしとは何か」を問い直し、具現化するパナソニックのデザインスタジオとして、従来の常識にとらわれない発想で、新規事業の種や未来の暮らしのビジョンを発表している。

コントリビューターになる

 そんなFUTURE LIFE FACTORYから登場した提案が、ユーザーとパナソニックが協力しながら未来の商品開発を一緒に行うという試み。ユーザーによるコミュニティーをつくり、みんなの意見を反映させながらパナソニックが開発したプロトタイプを完成品に近づける。コミュニティーの名称を「EPYTOTORP(エピトトープ)」と名付けた。「プロトタイプ(PROTOTYPE)」を逆に読んだものだ。

 「ライフスタイルや好み、考え方が多様化する中、さまざまな試作品が作られていても、一度もユーザーの目に触れずに消えていくものも多い。しかし試作品を紹介してユーザーの声を反映することができれば、新しい商品が生まれるかもしれないと考えた」と、エピトトープを担当するFUTURE LIFE FACTORYクリエイティブエンジニアの川島大地氏は言う。

この記事は会員限定(無料)です。

3
この記事をいいね!する