
家電などの商品やサービスを含めて、パナソニックのデザイン改革を推進してきた臼井重雄氏。パナソニック ホールディングスの執行役員としては、「デザイン経営実践プロジェクト」のリーダーも務めている。現在、デザイン部門が担っている2つの役割やその成果などについて聞いた。
パナソニック ホールディングス 執行役員 デザイン担当
兼 パナソニック 執行役員 カスタマーエクスペリエンス担当 デザイン本部長
――今、デザイン部門が担う役割は?
臼井重雄氏(以下、臼井) 大きく2つあって、1つが家電などの商品やサービス軸。2017年に家電のデザインのトップになって以来、顧客起点で、デザインを含めて商品を良くするという目標を掲げてきました。あれから6年がたち、予想以上の速度で成果を出せていると思います。先日、「レッド・ドット・デザイン賞」の審査委員長がやってきて、「なぜこんなに良くなったのか?」と尋ねられました。
デザイン本部にCDC新設
――良くなった家電を3つ挙げると?
臼井 1つ目が21年10月発売の「セパレート型コードレススティック掃除機」。若手デザイナーが発想した新スタイルの掃除機で、コンセプトモデルに近いスタイリングのまま世に出たモデルです。2つ目は、ドライヤー「ナノケア」。もともと人気シリーズで、売れているもののスタイリングは変えないことがセオリーでしたが、デザイン本部の意思で大きく刷新して進化を表しています。最後は、昔、洗濯機を担当していたこともあって、ドラム式洗濯乾燥機「LXシリーズ」。洗浄力の高さや環境性能など、洗濯機としてこれ以上ない成熟度。見えるところ、見えないところを含めて、それぞれ良くなっていて、販売も好調です。
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