パナソニックデザインの挑戦 第4回

電子部品を手がけているパナソニック インダストリーのメカトロニクス事業部は、デザイン経営実践プロジェクトに参加して未来を構想し、実現したい社会を考えた。プログラムで得た知見を生かして部門独自の取り組みも実施し、活動をさらに浸透させる。

●「デザイン経営実践プロジェクト」の実施後に策定した、パナソニック インダストリー メカトロニクス事業部のミッションとビジョン
●「デザイン経営実践プロジェクト」の実施後に策定した、パナソニック インダストリー メカトロニクス事業部のミッションとビジョン
(同社のWebサイトから)

 デザイン経営実践プロジェクトに参加するパナソニックグループの事業部門が出てきた。その1つが、パナソニック インダストリーのメカトロニクス事業部だ。

 事業部長のほかにR&Dセンター、経営企画、経理、営業13人のメンバーが2021年10月~22年3月まで実施。京都市にあるデザイン部門の拠点「Panasonic Design Kyoto」のほか、オンラインも併用しながら推進。約3時間のワークショップが5回あり、合計で約15時間。さらに課題を持ち帰り、人数を絞った個別の検討・レビューに約30~40時間をかけた。

デザイン経営実践プロジェクトの経験を生かし、事業部門が独自にワークショップを開催して未来を構想しようとチャレンジするケースも出てきた。写真はワークショップの様子(写真提供/パナソニック インダストリー)
デザイン経営実践プロジェクトの経験を生かし、事業部門が独自にワークショップを開催して未来を構想しようとチャレンジするケースも出てきた。写真はワークショップの様子(写真提供/パナソニック インダストリー)

今の顧客が未来も顧客のままかどうか

 メカトロニクス事業部は主にスイッチやリレー、コネクターといった電気や信号をオン・オフしたり接続したりする電子部品を手がける。BtoB事業として取引先である顧客のニーズや目指す方向を聞きながらロードマップをつくり、商品の性能や信頼性を向上させてきた。顧客が欲しいものをタイムリーに提供することが、これまでは大きな価値の1つといえた。しかし未来はどうか。今の顧客が、未来も顧客のままかどうかは確実ではないだろう。

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