
33期連続増収・増益を続けるディスカウントショップ「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)。中期経営計画「Visionary 2025/2030」では、PB強化に加えて「いつ来てもサムシングニューがある買い場の実現」といった店舗改革も掲げる。改革を象徴する2店を取材すると、これまでの常識を打ち破る新しいディスカウントショップの姿が見えてきた。
店内の至る所にうずたかく商品を積み上げる圧縮陳列を武器に、成長を続けてきた驚安の殿堂「ドン・キホーテ」。運営会社のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が、こうした従来のイメージを覆す次世代型店舗づくりを加速させている。
従来主流だった20代後半から40代後半の女性に加えて、もっと年齢の若いZ世代をとりこにすることを狙った店舗。さらには子育て中のファミリー層やシニアたちにとっても毎日足しげく通いたくなる店舗といった具合に、挑戦の振れ幅は大きい。スーパーともコンビニエンスストアとも違う、ディスカウントストアの新しい基準をつくろうと試みている。
「うわぁ、これ、昨日TikTokで見たやつだ。それも全シリーズ売ってる。すごい!」。東京・台場にある「キラキラドンキ ダイバーシティ東京 プラザ店」(以下、キラキラドンキ)には、休日にもなると開店と同時に10代後半から20代前半の女性たちが連れだってひっきりなしに訪れる。親の手を引いてうれしそうに店内に飛び込んでくる女児も少なくない。結果として、いわゆるα世代もひき付けているのだ。働いているスタッフたちも多くがZ世代とあって、自身のスマホを見せて「このTikTokに出ているコスメ、ありませんか」などと、友達感覚で気楽に話しかけているのも日常の光景だ。
若いスタッフの感性で自由に商品
キラキラドンキは、PPIHが22年5月に開店した、Z世代を意識した新業態だ。PPIHは21年から「お菓子ドンキ・お酒ドンキ」「コスメドンキ」「驚辛ドンキ」といった具合に、特定ジャンルにこだわった店舗づくりを順次進めてきた。キラキラドンキもその一環として誕生した。この記事は会員限定(無料)です。
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