2023年1月4日発売の「日経トレンディ2023年2月号」 ▼Amazonで購入する では、「日本酒ランキング2023」を特集。純米大吟醸「獺祭」で知られる山口・旭酒造が、2023年春をメドに米国での日本酒の現地生産を始める。ニューヨーク蔵で造る大吟醸にはあえて新ブランド「Dassai Blue」を冠するのはなぜか。桜井一宏社長に直撃取材した。
※日経トレンディ2023年2月号より。詳しくは本誌参照

代表:桜井一宏
所在地:山口県岩国市周東町獺越2167-4
主な銘柄:獺祭
純米大吟醸「獺祭」で知られる山口・旭酒造が、2023年春をメドに米国での日本酒の現地生産を始める。場所はマンハッタン中心地から約150キロメートル離れたニューヨーク州北部にあるハイドパーク市。既に建物や精米所は完成しており、国内の蔵とほぼ同等の品質の設備を持ち込んだ。
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なぜ遠い国に進出してまで現地生産に乗り出すのか。狙いについて桜井一宏社長は、「獺祭の輸出金額は右肩上がりで成長し好調だが、どうしても日本食に合わせて飲む酒の域を脱していない。さらに普及させるには、世界中の食事に合う次の獺祭を開発する必要がある」と明かす。
実はニューヨーク蔵のすぐ近くには、世界トップクラスの料理専門大学「カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ(CIA)」がある。蔵設置のきっかけはCIAからの、和食に合う日本酒を学生に学ばせたいという要請だった。「世界中で獺祭を飲みたくなるシーンをつくるための最前線基地が造れる」(桜井氏)と考え進出を決めた。
製造ノウハウこそ踏襲するが、ニューヨーク蔵で造る大吟醸にはあえて別ブランド「Dassai Blue」を冠する。「米国の水、米国の米で造られたニューヨーク蔵だからこその味わいを表現したい。その結果として、獺祭を超えるライバル商品が生まれるかもしれないが、それでよいと考えている」(桜井氏)。Dassai Blueを初出荷するタイミングは未定だが、日本の獺祭ファンにも届けるため、一部を逆輸入することも検討しているという。
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