「ステージ2」

 ステージ2は、次のような状況にいる企業です。ステージ1に加えて、

  • RFMなどの顧客分類や施策を実施している
  • クーポンやポイント施策などのキャンペーンは実施している

 このステージの企業は、こんな課題をお持ちではないかと思います。

  • 各種の施策は打ってはいるが、その効果に頭打ち感が出てきている
  • RFM分類に基づく施策が、本当に適切なのかどうかよく分からない
  • キャンペーンをより顧客の嗜好に沿った形で展開できないか、模索している

 そんな状況下であれば、顧客を経済的な価値だけでなく、嗜好性でセグメントしていきましょう。嗜好性が共通している客層をクラスタリング、セグメント化して施策の精度を上げていきます。

STEP1:購入商品の種類、あるいはブランドで顧客をセグメント化する(10個以下のセグメントが理想)
STEP2:データマイニング(クラスター分析)を実施(ツールがなければコンサルティングファームやITベンダーに相談してみる。購入商品だけでなく、購入タイミングや季節などを入れてみてもいい。嗜好性の似た顧客の塊が10個以下できていればOK)
STEP3:情報を獲得できている顧客のすべてが、どこかの経済的価値のセグメントと嗜好性のセグメントにひも付けられている状態にする(この状態からキャンペーンマネジメントツールで条件設定、メール配信をすると、効果が格段に上がる)

 購入量や最終購入日の観点だけでなく、購入商品ジャンルと購入タイミングに沿った施策を投入することで、顧客の維持・育成・獲得の効果は飛躍的に上がっていきます。

「ステージ3」

 ステージ3とは、次のような状況にいる企業です。ステージ1、2に加えて、

  • 購入品目などの嗜好性×経済的価値に基づいた顧客セグメントと顧客ステータスが管理されている
  • 顧客の移動の実態が一定レベルで可視化されている
  • 維持・育成・獲得に向けたアクションが取られており、一定レベルでのPDCAも推進できている

 このステージの企業は、次のような課題を持っているはずです。

  • 「嗜好性」や「経済的価値」でセグメントを分けて施策を打っているが、顧客の離反の防止や、新規顧客の獲得の効果に頭打ち感が出ている
  • メール、広告、SNS施策、コンタクトセンターなどで個別にKPIを設定し、追求しているが、ユーザーや顧客観点で全体最適な状態になっているかどうか、不安がある

 そんな状況であれば、顧客を属性だけではなく状況から、購入行動だけではなく検討行動を、操作マーケティング一辺倒ではなくロイヤルティーマーケティングを推進し、ユーザーや顧客にベストと思われる体験を提供することで維持・育成・獲得を推進しましょう(図47)。このステージの企業は、3章および4章で紹介した取り組みにチャレンジしてください。

【図47】操作マーケティングから真のロイヤルティーマーケティングへ発想転換
【図47】操作マーケティングから真のロイヤルティーマーケティングへ発想転換

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