顧客を理解することは、顧客勘定PDCAサイクルの原点です。顧客の理解には4つの観点があります。「基本的な属性」「経済的価値属性」「行動属性」「発信情報属性」の4つです(図11)。

【図11】顧客理解の4つの観点
【図11】顧客理解の4つの観点

顧客理解(1)基本的な属性

 基本的な属性は、主に「デモグラフィック・プロフィール」「ジオグラフィック・プロフィール」「サイコグラフィック・プロフィール」の3つから構成されます。

 デモグラフィック・プロフィールは、顧客の性別、年齢、職業、家族構成、世帯年収など、人口統計学的要因と呼ばれるものです。顧客理解においてまず外すことのできない基本中の基本と言っていいでしょう。年齢は、「年代」と「世代」の2つの観点が重要です。年代は、学生なのか、社会人10年目前後か、定年が近いのか、といったライフステージの観点です。

 世代は、どの時代を何歳くらいで過ごしたのかという観点です(図12)。戦前・戦中を生き抜いてきた方々と、戦後生まれの団塊世代では価値観は大きく異なりますし、バブル期に学生時代を過ごした世代と、バブル崩壊後に学生時代を過ごした世代も大きな違いが出やすいです。

 図12の呼称以外にも、例えばバブル後の就職氷河期に見舞われたロストジェネレーション(ロスジェネ)世代や、教育指導要綱の改訂でゆとり教育を受けたゆとり世代など、社会現象を踏まえた分類もあります。

【図12】世代の主な分け方
【図12】世代の主な分け方

 ジオグラフィック・プロフィールは、その顧客がどこに住んでいるのかといった地理的要因属性です。居住地のみならず、出身地、出身学校の所在地、勤務地などの影響もあります。この影響度合いの大きさは業種・業態によって異なります。

 サイコグラフィック・プロフィールは、ライフスタイル、価値観、宗教観などの心理学的要因を指します。購入行動やWeb上でのふるまいなどに表出することもあります。

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