商品勘定と顧客勘定の違い
売上高には、商品から積み上げる観点と、顧客から積み上げる観点があります。商品から積み上げる考え方を、私は「商品勘定」と呼んでいます。商品勘定とは、棚卸し資産を現金化することによってもたらされる売上高。つまり、「いくらの何がいくつ売れたか」です。小売業であれば、ほぼどこでもやっているでしょう。
一方、顧客から積み上げる考え方。これを私は「顧客勘定」と呼んでいます。顧客勘定とは、「何人の顧客から、個別にいくらずつ、売り上げを上げたか」という考え方です。顧客が現金と引き換えに商品の所有権を獲得することによってもたらされる売上高ということになります。商品勘定は「いくらの何がどれだけ売れたか」、顧客勘定は「どの顧客がいくらの何をどれだけ買ったのか」。商品勘定も顧客勘定も売上高と一致します(図1)。
顧客勘定PDCAサイクルとは
企業が売り上げ&利益を追求する組織である以上、目標となる数値に確実かつ迅速に到達したいものです。社会から必要とされる価値を市場にきちんと提供することで、持続性のある事業を行っていくことが望まれます。持続性のある事業を行っていくためには、社会から存在を認められることが必要です。
そのための基盤が「顧客起点経営」になります。顧客起点で物事を考え、実行することが、存続を許され、結果として大きな売り上げ&利益を上げることにつながります。
売り上げ&利益を向上させるためには、本当の意味で顧客起点の経営にかじを切る必要があります。「ユーザーや顧客にどのようになってほしいのか」「企業がどんな顧客からどのくらいの経済的価値を対価として受け取るのか」というゴールを設定し、ここに向かって戦略、戦術を立てて実行していくための方法論。それが「顧客勘定PDCAサイクル」です。
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