続・SNS時代の「メルマガ」新常識 第6回

ユナイテッドアローズにおけるメルマガは、SNSやアプリと比較しても、アプローチできる顧客母数が圧倒的に多いツールだ。その規模を生かし、同社ではメルマガを「1対n配信」と「1to1配信」に分けて活用している。どちらの配信も、オンライン上で顧客をより理解することが目的だ。ユナイテッドアローズの戦略的メルマガに迫る。

ユナイテッドアローズにとってメルマガは、アプローチできる母数が圧倒的に多いツールだ
ユナイテッドアローズにとってメルマガは、アプローチできる母数が圧倒的に多いツールだ
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 「メールマガジンは最も集客に直結する」。ユナイテッドアローズ マーケティング本部デジタルマーケティング部の池田沙貴子氏はこう話す。

 ユナイテッドアローズは、約20のブランドを抱えるアパレル企業。昨今ではデジタル戦略の改革に積極的に取り組んでいる。同社はハウスカードという買い物ごとにポイントが貯まる会員制度を設けており、その総会員数は約580万人。うち年1回以上買い物をしている稼働会員の6割ほどがメルマガ登録しており、これはLINEをはじめとしたSNSや自社アプリなど、同社のどのチャネルと比較しても、アプローチできる母数が圧倒的に多いという。見てもらいたい情報を最も広範に発信できるツールが、メルマガというわけだ。

 ユナイテッドアローズでは、メールを2つの用途に分けて活用している。1つは「1対n」の全体配信。もう1つは、「1to1(ワンツーワン)コミュニケーション」に近しい、顧客セグメントごとにパーソナライズした配信だ。

メルマガの2段階活用 どんな効果が?

 例えば新商品紹介のとき、セールやイベント開始時、まずは1対nの全体配信を行う。アプローチできる母数が多いというメルマガの特性を生かし、そのとき伝えたい内容を初速として多くの顧客に知らせる。

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