
「3年ぶりに忘年会・新年会を開いた、参加した」という声が聞かれた2022~23年の年末年始。だが居酒屋チェーンの既存店売上高は、まだ新型コロナウイルス感染拡大前の19年の水準には戻っていない。「飲まない」「飲み会に来ない」若者層が何かとやり玉に挙がるが、実際のところ彼らは仲間内で集まって飲んでもいる。これが従来の産業統計では見えづらくなっている。若者はどこで集まっているのか?
日経MJの「2022年ヒット商品番付」で西の横綱に挙がったのが、新型コロナウイルス禍で中止・縮小されてきたイベントやレジャーの復活を意味する「#3年ぶり」。22~23年の年末年始は、久々に忘年会・新年会を開いた、参加したという人も多かったことだろう。
居酒屋チェーン大手のチムニーでは、22年12月の既存店売上高が前年同月比120.0%となった。もっとも、これをもって「コロナ前に戻った」と喜ぶのは早計だ。21年12月の前年同月比が162.5%、20年12月は同32.0%と3分の1以下に落ち込んでいたことから、19年12月と比べると62.4%。復調しているのは確かだが、まだコロナ前の6割程度の水準にとどまっているのが現状だ。
その理由についてはさまざまな考察がされている。
・依然としてコロナ禍にあるため、大人数での忘年会はためらわれた
・コロナ前から、職場単位での半ば強制参加的な飲み会に対する疑問が若手社員を中心に噴出していた
・コロナ禍で定着した「家飲み」である程度満足している
・若者のアルコール離れ、 あえて飲まない生き方「ソバーキュリアス」の台頭
など。
年配層から見れば、飲まない若者、人との交流を避けているように映る若者に苦言の一つも呈したくなるところだが、本当に若者は閉じこもってしまっているのだろうか?
実際のところ、20~30代の若者層は、気の合う仲間と集まっているし、好みのアルコールを飲んでもいる。いったいどこで? 表に看板の出ていない“店”で、だ。
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