消費&マーケ 大予測2023 第1回

新型コロナウイルス禍、円安、物価高が続く中、消費者の心理や行動は「守り」から「攻め」に移行。それに対し、マーケティングでは価格を上回る価値をいかに消費者に伝えるかが鍵になる。その意味で意識したいのが「参照点」だ。さらに消費者の変化に対応するだけでなく、自らを掘り下げるブランディングも重要になる。

(写真/shutterstock)
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 2022年といえば、ベスト16でクロアチアに惜しくも敗れたものの、優勝経験のあるドイツとスペインを相次いで逆転で破る快進撃を演じたサッカーワールドカップ(W杯)日本代表の活躍が記憶に新しい。その興奮を胸に、23年は自分も頑張ろうと心に誓った人も多いはずだ。

 23年の環境はたしかに厳しい。米国ではコロナ禍によるDX(デジタルトランスフォーメーション)需要が一服。不景気への警戒感による企業の広告費削減やプライバシー保護の強化などによって大手IT企業の業績に陰りが見え始め、米メタ(旧フェイスブック)が1万1000人、米ツイッターは全従業員7500人の半数を削減するなど、大量解雇に踏み切らざるを得ない状況になっている。一方、若者の間で広がる中国発のTikTokやECに強みを持つ米アマゾン・ドット・コムは広告収入を伸ばしており、ビッグテックの勢力図は新たな局面を迎えつつある。

 日本でも、原材料費や物流コストの高騰によって商品の値上げが当たり前になり、家計を直撃している。さらに新型コロナウイルスも22年12月に東京都で1日の新規感染者数が4カ月ぶりに2万人を超えるなど、収束の兆しは見えてこない。

消費者は「守り」から「攻め」へ

 ただ、相次ぐ値上げと長引くコロナ禍のダブルパンチに対し、消費者はただ生活防衛のためにひたすら節約を続けているわけではない。

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