2023年1月4日発売の「日経トレンディ2023年2月号」 ▼Amazonで購入する では、「新NISA式 ほったらかし株&投信」を特集。投資する資産の配分を自動的に決めてくれる「ロボットアドバイザー」(ロボアド)が支持を広げ、今では10社以上が参入する。ロボアドごとに運用成績は違うのか。運用実績が公開された主要な5つのロボアドをピックアップし、累積リターン(収益率)から大賞を決定した。

※日経トレンディ2023年2月号より。詳しくは本誌参照

注)各ロボアドの成績は、22年10月末時点の円建てベースでコスト控除後。各社の公表資料を基に、それぞれのコースの中からQUICKがリスク水準別に5段階に区分してまとめた。THEOは運用成績の開示がある228コースの中から、リスク水準別に5コースを抽出。楽ラップは下落ショック軽減(DRC)機能なしの5コース。20年初からのリターンはFOLIO ROBO PROのみサービス開始の1月15日から、それ以外は1月年初から計算した
1プラン特化のROBO PROが外国株の下落局面でも強かった。注)各ロボアドの成績は、2022年10月末時点の円建てベースでコスト控除後。各社の公表資料を基に、それぞれのコースの中からQUICKがリスク水準別に5段階に区分してまとめた
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 株や債券など、投資する資産の配分を自動的に決めてくれる「ロボットアドバイザー」(ロボアド)。2016年にWealthNavi(以下ウェルスナビ)が登場してから、市場の変動に応じた運用までをお任せできる投資一任型のロボアドが支持を広げ、今では10社以上が参入する。

 ロボアドは、様々な資産クラスが混在するという点で、バランス型の投資信託に近い。違いは、相場の変化に合わせた資産配分の変更や再配分(リバランス)を人のファンドマネジャーに代わってAI(人工知能)などが行う点だ。そのため、パッシブ型の投信より手数料が高くなる。

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 では、ロボアドごとに運用成績は違うのか。検証のため、20年時点でサービスを開始しており、運用実績が公開された主要な5つのロボアド(WealthNavi、THEO、楽ラップ、ON COMPASS、FOLIO ROBO PRO)をピックアップし、累積リターン(収益率)を比較した。一般的なロボアドは、投資家がどれだけリスクを取れるか(リスク許容度)に合わせて様々な投資コースを設けている。今回はQUICK資産運用研究所が高リスク〜低リスクの5段階にまとめた成績データを比較に用いた。

 コロナ禍などがあり投資判断が難しかったと思われる20年1月〜22年10月末の3年間弱の成績を比較したところ、FOLIO ROBO PRO(以下ロボプロ)が46.9%と唯一40%台のリターン(累積)を上げていた。ロボプロの特徴は、40種類以上のマーケットデータから株や債券の値動きを予測し、資産構成の比率を毎月のように変更する点にある。「他社でもリバランスの際に資産構成を変更することはあるが、通常は最大10%程度しか比率が動かない。ロボプロのAIは、22年1月には一時的に米国株の比率をゼロにするなど、かなり大胆な運用も行う」(FOLIO金融戦略部の椋田浩章部長)。こうした独自の運用戦略を生かすため、投資コースは1つのみだ。これが奏功し、ウクライナ戦争などの影響で世界的に株価が軟調だった22年1〜10月も10%超の累積リターンを上げた。

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