マーケターのためのCES2023キーワード 第7回

IoTやセンサーの活用など、先進技術を使い都市や地域全体をスマート化することで、それぞれの地域が抱える課題解決を試みる「スマートシティー」構想。実は、企業のマーケティングに役立てることもできる。どのような取り組みが考えられるのか? アーバンテック(テクノロジーを使って都市や市民の生活にイノベーションを起こす取り組み)事業開発支援のAMANE(東京・港)に所属し、街づくり分野でモビリティをはじめとしたサービス実装支援に取り組む佐藤和貴子氏が、韓国企業の先進例を基に、“次世代マーケ”の実態を明らかにしていく。

 CES2023では、さまざまなスマートシティー関連の製品やサービスが展示されていた。それらの具体例を紹介する前に、まずはスマートシティーの概要について解説する。

 スマートシティーの定義は多岐にわたるが、国土交通省によれば「先進的技術の活用により、都市や地域の機能やサービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する取り組み」のことをいう。

 日本国内では2022年度の段階で、51の地域で54の事業がスマートシティー関連事業として採択されている。官民の協力の下、効率的なエネルギー利用、新たな産業の創出、子どもや高齢者の見守り、交通渋滞の解消、災害対策などが行われている。

 グローバルでは、スペイン・バルセロナが先進例の一つだ。バルセロナは、毎年行われる世界最大規模のスマートシティーに関するイベント「スマートシティエキスポ世界会議」開催の地でもある。

 行われているのは、市内各所に設置されたセンサーを通じて市内の状況をモニタリングし、道路上の駐車スペースの空きを確認できるスマートパーキングや、道路脇のごみ箱に設置したセンサーから空き容量を定点観測し、収集頻度を調整する取り組みなどだ。また、集積したビッグデータを可視化し、住民が政策を判断する材料として提供する他、街づくりに住民の参加を促すためのデジタルプラットフォームの構築などを進めている。

スマートシティー先進国の韓国発、「次世代型広告配信モデル」とは?

 CESでは、展示された技術やサービスがどのようにスマートシティーで用いられていたか。ここからは具体的に、企業の事例を基に紹介していこう。

 まず取り上げるのは、スマートシティー先進国、韓国・ソウル市の例だ。22年11月に行われたスマートシティエキスポ世界会議において、ソウル市は最優秀都市賞を受けた。主な受賞理由は、デジタル弱者に向けた包括政策の積極的な推進だ。ソウル市は21年、自治体としては世界で初めて、メタバース・プラットフォームを構築し公的サービスを提供していくことを発表するなど、先進的な取り組みで知られている。

 そんなソウル市と提携するのが、アーバンテックを推進する韓国のスタートアップMotov(モートフ)だ。同社は、街中を走行するタクシーを利用した、次世代型の広告配信モデルを展開する。

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