2022年11月30日~12月1日、アジアを中心に400人以上ものメディアを集めシンガポールで行われた「ディズニー・コンテンツ・ショーケース2022」。同イベントから、アジア太平洋地域(APAC)の注目すべきポイント、圧倒的な強さを誇る韓国から話題のドラマ『カジノ』のインタビュー、そして韓国と日本でオリジナルドラマを手掛けた三池崇史×片山慎三の監督対談を5回にわたり紹介していく。
さる2022年11月30日、12月1日の2日間にわたり、シンガポールのマリーナベイ・サンズにおいてウォルト・ディズニー・カンパニーが今後予定している劇場作品と動画配信作品を紹介する「ディズニー・コンテンツ・ショーケース2022」が開催された。
ディズニー作品をはじめ、マーベル、ピクサー、ルーカスフィルム、ウォルト・ディズニー・アニメーション、20世紀スタジオの新作やアジア太平洋地域(APAC)のオリジナル作など、50作品以上のコンテンツが大々的に紹介された。現地にはアジアを中心に400人以上のメディア関係者が集まり、ウォルト・ディズニー・カンパニー・アジア・パシフック プレジデントのルーク・カン氏や、各作品の監督や主演俳優たちがプレゼンテーションに登壇した。
1923年10月16日に創立されたウォルト・ディズニー・カンパニーは、2023年で100周年を迎える。世界の映画市場でトップ10のうち3つ、デジタル市場トップ10のうち4つがあるAPAC地域で、同社がアジアでは珍しい大規模なイベントを開催したことは、同地域の重要性が増していることを物語っているだろう。
その布石として、21年秋には新しいコンテンツブランド「スター」をローンチし、日本、韓国ほかローカルのオリジナル作品を強化している。
初日、11月30日の午前中はディズニー、ピクサー、マーベル、「スター・ウォーズ」といったグローバルブランドの作品が紹介された。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)シリーズをはじめ、実写映画『リトル・マーメイド』(2023年初夏公開)、ピクサーの『マイ・エレメント』(同年夏公開)、『インディ・ジョーンズ』シリーズ最新作の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(同年6月30日日米同時公開)といった大作映画など、会場は大いに沸いた。初日のイベントの最後には、12月16日に公開された『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のプレゼンテーションが実施された。
ハイライトは、午後に行われた日本、インドネシア、オーストラリア&ニュージーランド、韓国の順で発表された、23年にディズニープラスとDisney+Hotstar(ディズニープラス ホットスター:インドやインドネシアのブランド)で配信予定の各国のオリジナルコンテンツだ。
先陣を切った日本のアニメーション
先陣を切った日本は、アニメーションの充実ぶりをアピール。手塚治虫の名作マンガ『火の鳥』をSTUDIO4℃がアニメ化した『PHOENIX: EDEN17』、バンダイナムコグループが手掛けるアニメ『SYNDUALITY(シンデュアリティ)』、アニメ『呪術廻戦』の監督・朴性厚がストーリー原案を手掛ける完全オリジナル作品『Project BULLET/BULLET』(仮)など、計5作品を独占配信する。
加えて、講談社との戦略的協業を発表。今後はディズニーが講談社のコミックスなどIP(知的財産)を使ったアニメ作品をディズニープラスで世界独占配信する。第1弾として、23年1月7日から『東京リベンジャーズ 聖夜決戦編』の見放題独占配信が開始となる。
ライブアクションのプレゼンテーションでは、注目のドラマ『ガンニバル』(12月28日配信開始)から片山慎三監督、柳楽優弥、吉岡里帆が登壇。柳楽は「本作はサイコスリラーであり、回を追うごとに増す作品の緊迫感に期待してほしい」としたうえで、物語のベースは家族愛を描いているエンタテインメント作品でもあるとして、作品の普遍性にも言及した。
ほかには中島セナと奥平大兼がW主演を務める、2つの世界を実写とアニメで描くディズニープラスの日本初完全オリジナルファンタジー大作『ワンダーハッチ-空飛ぶ竜の島-』、社会派ドラマ『House of the Owl(原題)』が発表された。両作品に出演する新田真剣佑と、後者からは新田と親子役を演じる田中泯が登壇。それぞれに作品への意気込みや魅力を語った。
第2回に続く。