Z世代に人気のメンズ美容室「リップスヘアー」のオリジナルヘアワックスが売れている。Z世代のニーズを捉え、容器の色はメタリック調からパステル調に刷新。アパレル大手アダストリアの「レイジブルー」など、販路も広がっている。

2007年に誕生したリップスオリジナルのヘアワックス。自社のスタイリストのために開発した業務用商品で、当初は来店客のみに販売していた。15年から小売店での販売を開始し、21年11月にリニューアル。容器の前面のデザインは、以前のロゴマークから、機能をうたった商品名に変更した
2007年に誕生したリップスオリジナルのヘアワックス。自社のスタイリストのために開発した業務用商品で、当初は来店客のみに販売していた。15年から小売店での販売を開始し、21年11月にリニューアル。容器の前面のデザインは、以前のロゴマークから、機能をうたった商品名に変更した

 来店客の90%以上が10代から20代の男性で、年間約40万人が訪れる美容室「リップスヘアー」の経営をはじめ、メンズのスタイリング剤やコスメ製品の企画・販売を手掛けるリップス(東京・港)は、旗艦商品「ヘアワックス」のリニューアルを行った。全9種類のパッケージデザインを刷新し、一部は中身も改良。開閉しやすいオリジナル容器を開発した。パッケージの色はメタリック調からマットな質感のパステル調に変更し、ファッション性を高めた。売れ行きは好調で、新型コロナ禍真っただ中の2021年11月にリニューアル発売したところ、同年12月の出荷数は3倍以上、ロフト全店での同月の販売数は、前年同月比57%増。リピーターも多く、約1年後の22年10月も同30%増と伸長し続けている。

 販路も広がっている。リニューアル前、ロフトやドラッグストアなど導入店舗数は約4000店だったが、1年後には約1万店(22年11月時点)に増加。その要因についてリップス代表取締役の的場隆光氏は、「パッケージデザインを変えたことで、次世代に向けた商品であることが、ひと目で伝わるようになったからではないか」と話す。同・取締役 商品事業部長の長島幹孟氏は「小売店に営業したときのバイヤーの反応が格段によくなり、商品を見せるだけで導入を決めてくれることも珍しくない。リップスが提案するヘアスタイルは、ワックスを2種類ほど組み合わせて使っていることが多い。種類が豊富なことも魅力の1つなので、小売店では単品ではなく全9種類の取り扱いを提案しているが、たいてい受け入れてもらえている」と話す。

ヘアワックスの前にリニューアルを実施した「ベーススタイリングオイル」。都会的で洗練されたパッケージに変更し、この世界観を軸にヘアワックスもリニューアルした(写真提供/リップス)
ヘアワックスの前にリニューアルを実施した「ベーススタイリングオイル」。都会的で洗練されたパッケージに変更し、この世界観を軸にヘアワックスもリニューアルした(写真提供/リップス)

 22年6月から、アパレル大手のアダストリアのブランド「レイジブルー」の全42店舗でも、ヘアワックスやヘアオイルの取り扱いを始めた。レイジブルーはリップスと同じZ世代に人気のブランドで、順調に売れているという。

リップスのヘアワックスをはじめ、ヘアオイルやメンズコスメを販売しているアダストリアのブランド「レイジブルー」池袋PARCO店の店内写真(写真提供/リップス)
リップスのヘアワックスをはじめ、ヘアオイルやメンズコスメを販売しているアダストリアのブランド「レイジブルー」池袋PARCO店の店内写真(写真提供/リップス)

いい意味での曖昧さ

 今回、リップスがヘアワックスのパッケージの色をパステル調のニュアンスカラーに変更したのは、リップスヘアーのメーン顧客であるZ世代にとって“かっこよさ”を象徴する色と考えているからだ。

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