
キャッチコピーやCMは、時に企業の宣伝の域を超え、人々の心に響く。こうしたコピーやCMは、どのように時流やそこで生きる人々の心理を捉えたのか? この特集では、その背景にあるマーケティングの意図やインサイトを引き出す術を探る。第1回は2022年に好感度が高かったCM上位を振り返る。
CMやキャッチコピーは、時に企業の宣伝の域を超え、人々の心に響いたり、世の中に問題提起したりする。そうした人々の心に響いたCMやキャッチコピーが生まれる過程からは、各企業がどのような生活者心理を捉え、そこに効くマーケティングを行おうとしているが見える。
特集第1回では、CM総合研究所が行う「CM好感度ランキング2022」にフォーカス。2022年に人々の心に響いたCMにはどのような特徴があるのか、ひもといていく。
「好感は行動の前提である」――これは、CM総合研究所が調査の根底とするキーワードだ。この言葉に準ずるならば、世相をつかんだCMやキャッチコピーを見ることは、消費者の行動、ひいては消費の流れを見ることでもあるかもしれない。
CM総合研究所は、平成元(1989)年から生活者3000人を対象に(3000人を対象に調査を行っているのは04年以降)、月例CM好感度調査を実施。それを基に、年間で最もCM好感度が高かったブランドを「BRAND OF THE YEAR」として表彰している。
22年にCMを放映した全6833銘柄のうちBRAND OF THE YEARに輝いたのは、KDDI/auだ。なんと、KDDI/auは8年連続でCM好感度1位となった。KDDI/auといえば、松田翔太、桐谷健太、濱田岳を起用した「三太郎」シリーズをはじめ、神木隆之介が主演の「意識高すぎ!高杉くん」シリーズ、22年初出で広瀬アリスが“povo姉”を演じる「povo2.0」のシリーズなど、おなじみのシリーズが想起される。
2位につけたのは、リクルート「タウンワーク」の木村拓哉と芦田愛菜が出演したCM。同CMシリーズの中でも、木村拓哉と芦田愛菜がゾンビ風メークをしながら掛け合う「吊り橋編」が多くの好感票を集めた。
3位はユニクロ。「LifeとWear」のキャッチコピーの下、桑田佳祐の楽曲をBGMに綾瀬はるかが出演するシリーズだ。好感度調査対象期間の12カ月全てで、衣料業類ブランドの中で最も好感を得た。
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