
デザイナーやクリエイター向けにポートフォリオ作成や企業とのマッチング支援のプラットフォームなどを提供するビビビット(東京・新宿)の取締役兼デザイナー、田中秀征氏。DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューション事業を提供するLIG(東京・台東)に、デザイン顧問として招へいされた今村玄紀氏。2人の識者に、今後求められるデザイナー像を聞いた。
複数のスキルを持つデザイナーは強い
――どの分野のデザイナーに注目していますか。
田中秀征氏(以下、田中) クリエイティブ業界において、現在はサービスデザイナーの人気が高いのですが、私が注目している分野が、3次元空間でコンピューターグラフィックスを制作する3DCGアーティストです。3DCGアーティストはゲームやアニメーション、映画などのエンターテインメント市場はもちろん、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)など仮想世界と現実世界を融合する、いわゆるクロスリアリティーと呼ぶ市場でも活躍できる職種です。志願者が少なく、常に人手不足の状態ですから、今後も狙い目となる分野でしょう。
ビビビット取締役兼デザイナー
造形力を生かせる3DCGアーティスト
――3DCGアーティストになるには、どんなスキルが必要ですか。
田中 3DCGアーティストとして質の高いアウトプットを生み出すためには、表現の引き出しを増やすことに加えて立体造形力が求められます。立体造形力を高めるためには、デッサンスキルを高めるなどが有効です。事実、3DCGアーティストを採用するメーカーの中には、3DCGの制作経験がなくとも、高いデッサン力を有する学生を採用したケースもあります。しかしデッサン力が高ければ即座に3DCGアーティストとして働けるわけではありません。新卒採用のように業務未経験であることが前提となる場合を除いては、3DCGを使った高い表現力と進みたい業界への熱意が重要です。
――伸ばすスキルの選択をすることが重要なんですね。
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