
コンサルティングファームのアクセンチュアが、美術大学卒業生を新卒で採用している。黒川順一郎氏と柳太漢氏に、デザイナーの育成やコンサルタントとデザイナーとの協業のポイントについて聞いた。
アクセンチュア 執行役員
アクセンチュア ビジュアルデザイン アソシエイト・ディレクター
――アクセンチュアは2022年4月、顧客体験を軸とした企業変革を支援する組織、アクセンチュア インタラクティブ(以下、インタラクティブ)をアクセンチュア ソング(以下、ソング)に改称しました。インタラクティブとソングの違いは何でしょうか。
黒川順一郎氏(以下、黒川) 顧客接点からビジネス全体の成長に寄与する変革を実現するために、インタラクティブもIMJ(アイ・エム・ジェイ)もFjord(フィヨルド)もすべてソングとして新しいスタートを切りました。ソングは、ビジネスコンサルティング本部やテクノロジーコンサルティング本部などアクセンチュアの他の部門とも協働しながら、これまで以上に、創造性とテクノロジーの力を組み合わせ、企業の持続的な成長を支援していくことを目指しています。
進化している美大生の意識
――アクセンチュアでは、美術大学からの新卒を採用しています。きっかけは。
黒川 インタラクティブの前身であるアクセンチュア デジタルが2014年に立ち上がり、その頃からアクセンチュアではクリエイティブ職の中途採用は行っていました。美大生の新卒採用を始めたのは、クライアントのニーズが変化し、デザインやアートを生み出す人材も必要になってきたからです。例えば20年以上前、多くの企業がコンサルティングファームに求めていたのは、業務効率化やIT化などを徹底的に行い、収益性を高めていくことでした。しかし、デジタルの時代となりビジネスの様相は一変。収益性を高めていくだけでは立ち行かなくなり、新たな売り上げをつくる新規事業やサービス開発を求められる機会も増えてきました。そうした背景から、アイデアを生み出せる創造性の高い人材を求め、江川(昌史)が社長になった15年ころ以降、継続的に美大生を採用しています。
――美大卒のデザイナーをどのように育成しているのでしょうか。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。