
2022年10月、富士通デザインセンターの新たな取り組みがSNSを中心に話題を集めた。「デザインアドボケート」というジョブを新設し、入社2年目のUI(ユーザーインターフェース)デザイナーを起用したことだ。背景には、社会課題の解決を通じてデザイン部門を変革するという狙いがある。
入社2年目のUIデザイナー、横田奈々氏が課長級の役職として就任したデザインアドボケートとは、簡単に言えば、社外とコミュニケーションし、富士通デザインセンターのファンを増やす仕事だ。
横田氏は就任の翌月、「Schema by Figma」や「Designship 2022」といった社外のイベントに登壇。社会課題にデザインアプローチで取り組むことの重要性を伝えるなど、デザインへの関心を集めるコミュニケーションを実践しながら、富士通デザインセンターの存在感を強く示した。
デザインアドボケートの任期は1年間。社内公募で募ったところ、「学生時代にデザインワークショップに参加し、海外のデザイナーの熱量に触れる機会が多くあった。自分たちのさまざまなプロジェクトを、熱量を持って伝えていく必要性を感じていた」と話す横田氏が応募して選ばれた。
インハウスデザイン部門の再定義
デザインアドボケート新設を主導したのは、デザインセンター長の宇田哲也氏だ。富士通デザインセンターは今後、より注目度が高まると思われる社会課題解決をミッションに掲げる。これまで社内の事業に貢献してきたインハウスデザイン部門を、デザインを駆使して社外の大きな課題を解決する組織に再定義しようとしている。それが、将来的な資源枯渇の解決や、事業継続につながると考える。
「社会課題を解決していくことで、内向きだったデザイン部門を変革していく。社内外との共創を通じて、企業や日本が元気になる手本をつくりたい」(宇田氏)
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