「結果にコミット。」の広告で知られるパーソナルトレーニングジムで一躍有名になったRIZAPグループ。M&A(合併・買収)の失敗やコロナ禍による打撃を乗り越え、復活を期して2022年7月に月額3278円(税込み)の新たなトレーニングジム「chocoZAP(ちょこざっぷ)」をスタートさせた。同社社長の瀬戸健氏に、chocoZAPの狙いと、未来のフィットネス業界のあるべき姿を聞いた。

※日経トレンディ2023年1月号より。詳しくは本誌参照

RIZAPグループ社長 瀬戸 健氏
1978年、福岡県生まれ。2003年に健康コーポレーション(現・RIZAPグループ)を設立し、06年には札幌証券取引所「アンビシャス」に上場を果たす。12年からパーソナルトレーニングジム「RIZAP」を手がける。

コロナ禍で加速したコンビニジム構想 世界中の人の運動習慣を変えていきたい

 chocoZAPを始めた理由はいくつかありますが、根底にあったのは「もっと色々な人に健康になってもらいたい」という思いです。12年に始めたパーソナルトレーニングジムの「RIZAP」は、延べ18万人以上が利用。満足度も90%以上と高く、大きな成果を上げたといえます。

 一方で、RIZAPは誰もが気軽に利用できるサービスではありません。2カ月間で「結果にコミット。」するため、トレーナーが利用者に徹底的に寄り添って食事やトレーニングをするコストがかかります。入会金と約2カ月間のベーシックサービスで約35万円(税別)が必要ですし、利用者も痩せるため、鍛えるための努力が求められます。せっかく高付加価値ジムの運営で体づくりのノウハウが蓄積されたので、成果を社会で広く生かしたいと考えていました。

 ジムをさらに多くの人に広げるには、料金以外にも「脱・筋トレマニア層」を果たし、運動初心者を取り込むことが重要。マッチョ層が主体のジムは、どうしても近寄りがたく続けにくいイメージができてしまうからです。

 そうした次世代ジムの計画を加速させたのが20年以降のコロナ禍です。ジムは密になりやすいといわれ、RIZAPでも、暗闇フィットネスの「EXPA」など、グループレッスンが主体のサービスは会員数が半分以下になるなど、大きな打撃を受けました。代わりとなる新規事業をいくつも検討する中で、無人で24時間営業という「コンビニジム」のアイデアが出てきたのです。といっても、最初に社内でシミュレーションしたときには「集客が厳しく、事業化は無理」という結論でした。しかし私は「無理」と言われると燃える性格ですし(笑)、元々考えていたテーマにも近かったので、「どうしたら人が集まってくれるのか考えよう」という指示を出しました。

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