
「スマホの使い方を教えてほしい」「話し相手になってほしい」「外出に付き添ってほしい」──。こうしたシニアのニーズに大学生らの“孫”世代が応えるサービスがある。MIHARU(東京・渋谷)が1都3県で提供する「もっとメイト」だ。創業のきっかけは、赤木円香代表(29歳)の祖母がふと口にした「私、本当のおばあさんになっちゃったみたい」という言葉だった。
「介護」ではない。自立した生活を送っているが、「少し手伝ってほしい」「教えてほしい」といったシニアのニーズに寄り添うのがMIHARUの手掛けるパートナーサービス「もっとメイト」だ。ミッションに「シニアとその家族からもっとも信頼される伴走者であり続ける」と掲げる。
「65歳以上の高齢者3600万人のうち、約半数が加齢による身体能力の低下を感じる『フレイル』『プレフレイル』と呼ばれている。核家族化や地域のつながりの希薄化で、何かに困ったときに頼れる存在がいないシニアが増えている」(MIHARU代表の赤木円香氏)
MIHARUは2020年1月の創業以来、定期的に自宅などを訪問し、話し相手、外出の付き添い、スマートフォンやパソコンの使い方レクチャーなど、シニアのサポートを手掛ける。
サポーターとなるのは“孫世代”の大学生。基本料金は1時間3500円(税込み)で、1カ月間で1都3県の100人を上回るシニアが利用中だ。
設立:2020年1月
製品/サービス:シニアの暮らしに寄り添うライフパートナーサービス「もっとメイト」
市場:シニア世代のニーズを掘り起こし、“孫”世代の大学生がサポートする年代を超えたサービスが互いの人生を豊かにしていく。高齢化社会において新たな価値を提供

現在「もっとメイトパートナー」として在籍する20~25人の大学生は面談で採用されるのだが、採用率は10~15%という狭き門だ。行動指針に「親切・感動」「傾聴・対話」「感謝・尊敬」「安全・安心」を掲げ、中でも「感謝・尊敬」を重要視している。相手に感謝し、尊敬できる心を持っているかが大切だからだ。面談では「誰を、なぜ尊敬しているか」といった質問を深掘りし、「年齢や立場に関係なく、周りを大切にできる人を採用している」(赤木氏)。
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